大分建設新聞

四方山

センス

2022年06月29日
 合コン必勝さしすせそ、をご存じだろうか。「さすがですね、知らなかったです、すごいですね、センスがいい、そうなんですか」の頭文字を取った会話術の心得のことだ。言われて悪い気はしない言葉だろうし、覚えておいて損はないなと思うのだが、いかんせん既婚の身だと、料理のさしすせそ(砂糖・塩・酢・醤油・味噌)の方が、よっぽど身近でよく使う▼一番難しいと思うのが「せ」のセンスだ。はっきり自覚しているが、私はセンスがない。洋服、インテリアなどさまざまな物においてセンスが問われるが、近頃では運転や音楽など、形のないものにおいても「センスが出る」などと言われるものだからたまらない。「これが正解」という明確な答えがないのも、また困る。奇抜で思わず二度見してしまうような服も、若い人は「センスがいい」と言う。もうよくわからない▼人に相談すると「本物の芸術に触れたり、センスのいい人と話をして感性を磨くべし」とアドバイスされた。後半で、はてと首をかしげた。そもそも論で、センスのいい人と悪い人の線引きが分からない。アドバイスをくれた人も、私からすればセンスがいい人だ。この人と話すだけでは磨かれないのだろうか。では誰と話すのが適切なのだろう▼唯一考えつくのは「まだ会ったことのない人」だ。自分の知らない知識、見方、視点を教えてくれる人。この仕事は多くの人に会うことのできる、センスを磨くには最適な職業のはずだ。今後、私のセンスはよくなるハズである▼先日、中国地方整備局に防災ヘリコプターが導入された。愛称は「おりづる」。募集した573点の中から採用されたのは、同じ名称で応募していた8人。その中の一人がなんと私の夫だった。表彰状を手にニコニコしている。センスあるなぁ。(万)
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