大分建設新聞

四方山

高校生は金の卵

2022年06月20日
 県が主催する高校など進路指導担当者向け合同企業説明会と、中津市が主催する企業合同就職説明会を取材した。建設業からも多くの企業が参加しており、業種に関係なく各社のブースは明暗が分かれていた▼県の2021年度学校基本調査によると、高校卒業者数は9557人で前年度より405人減っている。その中で県内就職者は1673人(男子991人、女子682人)で、製造業が503人で最も多く、次いで建設業221人、卸売・小売業220人と続く。221人という数字は、県下の建設業界が求めている数字を満たしているとは思えない。建設業の魅力を確実に伝えて、県内建設企業への就職者数をもっと増やす必要があるのではないだろうか▼もう一つの課題は、就職者数自体が2237人(男子1433人、女子804人)で、前年度より308人減少しているということだ。高校を卒業して就職する人を増やすことも考える必要がある▼高校を卒業して専門学校、短大、大学などに進むが、最終的には就職する。高校を卒業して就職するよりも進学して就職した方が、望む会社に入りやすく、望む仕事に就けるとは限らない。進学先でそれぞれの特性を伸ばし、大きなセールスポイントを得ることができなければ進学するメリットはない。高校の進路指導の先生方には、生徒の持つ価値を伸ばす道へのアドバイスを期待したい▼もちろん、高校の卒業生を引き受ける会社にも覚悟が必要だ。うちに来れば4年後は大学に進学した人に負けない力を身に付ける教育をし、待遇も同じにすると明言しなければならない。実際に育てなければ会社にとってもマイナスである。かつて高度成長期を支えた中学卒業者を金の卵と呼んだが、今では高校卒業者が金の卵だ。責任を持って育ててほしい。(リュウ)
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