大分建設新聞

四方山

SDGs達成を目指して

2022年06月15日
 SDGsは、17のゴールを目標に持続可能な世界を実現するため、2030年までに世界中で取り組んでいく「私たちの世界をより良くするためのみんなの目標」である。会社員の方で、よくスーツに丸いカラー17色のバッチを付けているのを時々見かける▼地球温暖化問題では、目標13「気候変動に具体的な対策」を掲げている。世界の年間平均気温は100年前の産業革命期より0・75℃上昇した。日本では100年前より1・26℃上昇したとされる。また、温暖化が進んでいる大分市で見ると、100年前より1・75℃も上昇したとされる(大分地方気象台)▼一方、19年度の国内温室効果ガス排出量は12億1300万㌧。うち建築分野のライフサイクルの温室効果ガス排出量は約40%を占めるという。資材製造→建設→運用→改修→廃棄の過程で排出される量だ。目標12は「つくる責任、つかう責任」。約40%のうち建設時に23%、運用時に77%が排出される。現在、建築視点からの地球温暖化防止の取り組みが行われつつある▼21年10月に「脱炭素社会実現のため建築物などにおける木材利用の促進に関する法律」が施行され、民間建物にも木材利用が強化されてきた。ノルウェーでは木質化推進で「ミョーストーネット」を建設、19年3月に竣工した。木造建築による高さ85・4㍍、地上18階で総工費は約61億円。1400立方㍍の構造用集成材と2600立方㍍の木材を使用した世界一高い木造建築である▼2日、日本のSDGs達成度は、世界18位から19位に後退との発表があった。最低評価の項目が増えた上、新たに目標12の「つくる責任、つかう責任」が最低評価に転落した▼ウクライナでは、戦争で建物は破壊、戦車は燃え、ミサイル、大砲は打ち放題。日本はSGDs達成可能か。ぜひゴールを願う。(勇)
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