大分建設新聞

四方山

飛行機嫌い

2022年06月10日
 5月中旬に「3月に起きた中国東方航空の旅客機墜落は、何者かが故意に操作した可能性がある」というニュースがあったのを覚えているだろうか。しかし、それから続報がないので気になっている▼私は飛行機を見るのは好きだが乗るのは嫌い。国内・国際線を何度も利用してきたが、その多くは「無理やり乗せられた」「致し方なく」である。自ら進んで乗ったことは一度もない▼搭乗する際は、必ず①座席周りを見渡し、墜落した時に誰を助けるかを見定める②いつもは信じない神様へ無事を祈る③揺れが激しい時は腰を浮かせ、空気いす状態で揺れを感じないようにする④翼の揺れを見極め、エンジン回転に気を配る―などの行動をとり、誰より高い安全意識を持つようにしている。もちろん、眠ったことは一度もない▼墜落のニュースを目にした時、私も中国の国内線で死を覚悟した?ことを思い出した。2009年7月に大規模な皆既日食があり、ちょうど日食時に大陸を飛行中だった。日食が始まると、一目見ようと多くの中国人が一斉に片側の窓に殺到。私は飛行機がひっくり返るのではと心配した。一緒に行った上司が「どうしてもこの日から中国出張だ」と無理なスケジュールを組んだのは、このためだったのかと恨んだ。今でも「皆既日食」という言葉は嫌いである▼飛行機が墜落する確率は、0・0009%だと言われる。「交通事故に遭う確率より低いんだよ」なんて励ましてくる人がいるが、いらんお世話である▼知床の遊覧船事故もそうだが、乗客は運航する会社、パイロットや運転手などを信頼して身を任せている。公共交通機関などは、自分ではどうしようもないことがある。責任感がある人たちばかりだと信じたいが、事故のニュースを聞くと不安になる。飛行機は嫌いだ。(せい)
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