大分建設新聞

四方山

税金乱用

2022年06月07日
 日中、暑い日が続いたためだろうか。深夜「ブーン」という嫌な羽音を聞いた。蚊である。気になりだすと、刺されはしないかと心配になって、なかなか寝付かれなくなる。『とってもおもしろい蚊の話』(山と渓谷社刊)によると、蚊の主食は何もヒトの血液ではなく、普段は花の蜜などを吸っているという▼血を吸うのは、メスの蚊だけで、それも産卵に必要なタンパク質を補給するのが目的という。子どもを産むために、叩き潰されるリスクを冒して人間に近づくというのは、なかなか感動的だ。驚くのは、1回に吸う血の量。自重と同じくらいの血を体内に収めてしまうらしい。何とも欲が深い▼佐伯市が4月に販売した30%のプレミアム付きの商品券。1冊1万円で1万3000円分の買い物ができる金券を、1人で440冊購入した市民がいたということで、騒動になっているようだ。440万円投じて572万円分の買い物ができることを考えれば、相当においしい。1世帯3冊までというルールはなし崩しされたらしい▼商品券販売は、コロナ禍で冷え込んだ地域商業をもり立てるのが目的。買い主は「自動車の購入費に充てる」と話していたと言い、自動車のディーラーは潤っても、初期の目的に沿っているとは言えまい。加えて1冊につき3000円のプレミアム分はどこが負担しているかと言えば、私たちの税金である▼コロナ禍対策の「持続化給付金」をめぐる巨額詐欺事件が相次いでいる。家族ぐるみで10億円近い金をかすめ取っていた者がいたかと思えば、今度は国税局の職員まで詐欺の片棒を担いでいたと報じられた。摘発は氷山の一角かもしれない。莫大な巨費が投じられたコロナ関連予算。ツケを払うのは国民である。後から「大増税」というかゆみに襲われなければいいが。(熊)
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