大分建設新聞

四方山

中学生のチカラ

2022年05月30日
 将来、先端科学技術分野などで幅広く活躍する女性を、県が発掘・育成するために女性活躍推進事業を実施している中で「大分から未来を変えたい」という思いを持つ女子学生を全力で応援する「OITA GIRLS 8 プロジェクト」の最終発表会が3月にあった▼発表者7人の女子中高生の中で大分豊府中学校3年の長木未緒さんは、大分空港が宇宙港になり民間人でも宇宙旅行に行け、早ければ4年後に有人飛行も可能になる近未来から「日本/大分の食で、宇宙生活をより良くする」というテーマで大分の食材を使って宇宙食を造ろう!と発表した▼大分にはバリエーションの豊富な食材があると言う。関サバの味噌煮、どんこ(シイタケ)のスープ、砂糖不使用のドライカボスピールにレトルトカレーなど。ご存知シイタケにはビタミンDが豊富で、関サバにはビタミンD、カルシウムが含まれており、カボスのクエン酸がカルシウムの吸収を助けるという。ひらめいたアイデアを大分の「旬のテーマ」とを結びつけて、その裏付けを調べて発表したことに敬意を表したい▼発表の中で、2020年に国際宇宙ステーションで野口さんが食べたサバ缶は、福井県立若狭高校の生徒が造ったものだと触れた。サバ缶が宇宙で食べられるまで10数年がかかっているが、その始まりは若狭高校に統合される前の小浜水産高校の一人の生徒の何気ないひと言だった▼若者のひと言が大きな夢となり実現するという良い例がきっかけになっているようだ。地域が抱える課題に対する解決は大切だが、地域の動きとポテンシャルをうまくマッチングさせて現実的な内容にして発表する長木さんに高いセンスを感じた。これは、どの業界でも通用する貴重な中学生のチカラだ。ぜひ、建設業界にスカウトして未来を一緒に考えたい。(リュウ)
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