大分建設新聞

四方山

腰痛との闘い

2022年05月25日
 先日、腰を痛めた。重い荷物を持った訳ではなく、ただ、ちょっとした動きで急性腰痛(ぎっくり腰)になったのだ。初めて腰痛になったのは遠い昔のことだが「一度腰痛になると、これから癖になってなりやすくなる」と言われた。それまで若さに任せて重いものを持ったりしてきたが、この年齢になると「自重」するようになった。やはり年には勝てないのかなぁ~▼腰痛になると、まず寝込む。すると小さなことが見えてくる。起き上がることもままならない中で、携帯電話やテレビのリモコン、ティッシュペーパーを取ったりと、普段、数十㌢しか離れていない物を手にする行動範囲がすごく遠くに感じるのだ。「何で、こんなに遠くに置いているのか」苛立ちを隠せない。テレビのリモコンを取るにしても脂汗をかきながら必死の行動だ▼その必死な思いで整形外科に向かった。ここでも車の乗降はもちろん、医院の駐車場から受付窓口までがとにかく遠い。その距離は目測で約10㍍ほどか。それが10㌔に感じるのである。心の中で「自分との闘いだ」と言い聞かせながら、その目的を達成すべく受付まで全力で進んだ。所要時間は約15分だった。健康な身体なら普段の有り難味は分からない▼ここに至って、少し歩けるようになった。腰をかばいながらぎこちない姿勢で通勤できるまでになった。いつもの経路ながら途中、川沿いでヘビと思ってびっくり。「腰が、腰がまさか」と、足を止めたが再発の兆候はなかった。ガードレールに両手を突きながら数分、立ち止まった。よく見ると自動車のファンベルトだったが「今まで気付かなかった」▼腰は人間の重心である。この重心が悪くなると静かで気付かないことが聞こえてくる。ここぞとばかりに「太りすぎだ」と非難を浴びる毎日だ。(勇)
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