大分建設新聞

四方山

カラオケwithコロナ

2022年05月16日
 精神医学によると、ストレスも適度なら生きがいにつながるという。しかし、ストレスが過剰になったり、うまく対処できなかったりすると危険だ。具体的にストレスになっている原因を減らすことが必要で、ストレスによる疲労と回復のバランスをとることが大切だという▼私たちは、ストレスとなる原因を減らすために、あるいはストレスによる疲労から回復するために音楽を聴く。脳科学によると、たくさんのカロリーと酸素を使う脳は、あまり脳の負担にならないものを気持ちがよいと感じるそうで、音楽を聴く時にはメロディや歌詞を好きになっているだけでなく、脳が気持ちよいと感じるコード進行を追っているようだ。J‐POPのヒット曲の多くに、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」という曲で使用されたカノン進行というコード進行が使われていることでも裏付けられている▼確かに自分の好きな音楽を聴くと、とても落ち着き元気が出るが、人は聴くだけでなく歌い踊ることで人生を豊かにしてきた。そして、日本人はカラオケを発明し、世界中にその文化を輸出した▼しかしながら、新型コロナウイルス感染症が拡大するにつれてクラスターを発生させたカラオケは悪とされてしまった。カラオケから遠ざかっている人は多い。歌わないと声も出なくなり、うまく歌えていた歌も歌えなくなる。歌を歌うことは健康にも良いので寂しいことだ▼だが、日本人は今まで幾多の困難を技術や工夫により乗り越えてきた民族である。日本人が生んだ文化であるカラオケをコロナごときで衰退させまい。すでに、マスクを付けたまま歌っても歌声がこもらない「マスクエフェクト」機能を開発し、小さなスナックのカラオケ機器にもマスクエフェクトボタンが付いている。もはやカラオケはwithコロナだ。(リュウ)
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