大分建設新聞

四方山

目で伝えるマスク社会

2022年05月13日
 最近、特に視力の低下を感じる時が多くなった。若い頃は本当によく景色が見えた。小さな探し物でも簡単に見つけることができたが、この年齢になって視力の衰えが少し日常生活にも影響を及ぼし始めた感じだ。また、視力の低下が肩こりや頭痛をもたらすこともあるという。目も老化するようだが、誰でも年齢は取りたくないものである▼社内でそんな話が盛り上がっていると、同僚が眼鏡型拡大鏡「〇〇ルーペ」の広告を見せてくれた。これまで見づらい文字は「虫眼鏡」を使っているのだが、眼鏡タイプにすると両手が使えて便利だという。こんな便利なものがあったとは気づかなかったが、これからも仕事に集中できるように一度試してみようと考えた▼一般的に知られていることわざに「目は口ほどに物を言う」とある。意味は「何も言わなくても目つきから気持ちが伝わる」「口でごまかしても目を見ればわかる」など。特にここ数年、新型コロナによる対策で「マスク」が使用されているが、口元を隠して目だけが相手に見られる状況だ。目だけを相手に見せる社会は、さぞかし人の心の奥深く相手の気持ちが知られることだろう▼似た意味を持つ四字熟語に「以心伝心」がある。声に出さなくてもお互いに心と心で伝え合うことができるという意味だ。前述した「目は口ほどに物を言う」に比べて、何も言わなくても相手の気持ちを理解することが大切だとする以心伝心は、精神論的な意味が含まれているようだ▼今は、マスク着用が当たり前。大きな声で笑うことも、密になって会話することも許されない時だ。全ては目が物を言う。私は、今が目で伝えるべく「眼力」を養う絶好のチャンスだと考えた▼社内で無口になり眼力で心を伝えるが、誰も私を見ようとしない。悲しい社会だ。(勇)
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP