大分建設新聞

インタビュー

多田 耕治さん(豊後高田土木事務所長)

2021年07月02日
 豊後高田土木事務所は、約26年ぶり2回目の勤務となる。「当時はまだ若手の職員で、豊後高田国東線の道路改良工事などを担当していた。工事中に大雨が降ったときには、桂川に土のうを積み上げて作業し、被害を最小限に押さえられたことは、今でも忘れられない思い出」と当時を振り返る。
 同土木事務所管内の印象は「管内を見て最初に感じたことは、最初の勤務時に比べて、新城山香線など道路整備が進んでいること。これも地元の皆さまのご理解・ご協力や工事関係者の努力のたまものだと感謝している。また、自然豊かで災害も少ない住みやすい地域」と話し、職員には「豊後高田土木は、他の事務所に比べて規模が小さいが、そのぶん職員同士の連携も強く、報告・連絡・相談(ほうれんそう)がきちんとできているので素晴らしいと思う。これからは自分の仕事だけでなく、業務の守備範囲を広げて、多くの経験を積みスキルアップをしてほしい」と若い力に期待する。
 今後の重点事業では「多くの事業に取り組まなければならないが、なかでも2012年度から着手している『主要地方道豊後高田安岐線道路改良事業(小田原工区)』や、05年度から着手している『一般県道新城山香線道路改良事業(梅木北工区)』などの道路改良事業は大事。また、21年度から着工する『下長岩屋第1川火山砂防事業』も目が離せない。一方、近い将来発生が予想されている南海トラフ巨大地震に対応するための耐震化などの『道路施設修繕事業(橋梁耐震化)』など、地域の安全・安心を守るための事業も多く控えており、5か年加速化対策の交付金事業も活用しながら、職員一丸となって取り組む」と多くの事業への真摯な姿勢を語った。
 建設業には「建設業者の皆さまには、災害発生時の復旧作業などの対応に感謝している。なかでも4年前の豊後大野土木事務所での勤務時には、九州北部豪雨での約100ヵ所にも及ぶ災害復旧で、孤立地区の解消や綿田地区地すべり災害での対応など、とても心強く思い感謝している」と振り返り、「管内の建設業者の皆さまとは地域の『安全・安心』を守るため共に手を取り協力していかなければいけない。若手技術者の人手不足など多くの課題についても、工事の平準化、書類の簡素化などの取り組みにより、官民一体となって解消していかなければならない」と課題の改善と協力を求めた。
 趣味は、プロの将棋を見ること(観る将)とバスケットボール(NBA)やフットボール(NFL)のスポーツ観戦で、「多彩な戦略やチームプレーは、人生の勉強にもなり大変おもしろい」と笑顔を見せた。
 家族は大分市におり、豊後高田市で単身赴任生活を送っている。野球の練習も始めて、健康づくりにも気を付けている。大分市出身。54歳。


略歴~早稲田大学理工学部土木工学科中退後、県職員に。
国土交通省港湾局計画課、大分土木大分港振興室長、
別府土木次長兼企画調査課長などを経て、今年4月から現職。
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