大分建設新聞

インタビュー

秋月 宏昭さん(竹田土木事務所長)

2021年06月25日
 竹田土木事務所は、初めての勤務。就任にあたって「くじゅう連山、長湯温泉、岡城址など豊かな自然、温泉、歴史に富む魅力あふれる地域」と、竹田市の印象を語る。
 所長としての運営方針や課題、抱負などについては、令和2年7月豪雨からの一日も早い復旧と、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を含む社会資本整備の着実な展開。それを実行するには「何のため誰のための業務なのかを意識した県民中心の県政の遂行と、強みを高め弱みを補うことで個々の優れた力を発揮できるチームワーク、健康管理と交通安全が大切」とした。
 管内の建設事業では、庄内久住線(久住工区)や国道442号の道路改良事業、濁淵川、玉来川の広域河川改修事業、10ヵ所におよぶ急傾斜地崩壊対策などの砂防事業を主要事業に挙げた。
 これまで河川、砂防、港湾、道路、橋梁、トンネルなど多種多様な事業を経験し、入札契約や公共事業評価、積算・技術管理などの制度づくりにも携わったマルチプレイヤーの秋月所長。「道路課勤務時の2005年、当時のコスト構造改革を進めるため、『バリュー・エンジニアリング(VE)』の手法を導入し、道路計画のワークショップメンバーとして阿蘇くじゅう高原線のコスト縮減だけでなく、より価値観の高い道路を目指した整備に携わった。竹田土木勤務となり、改めて阿蘇くじゅう高原線を通行するのは大変感慨深い」と、思い出に残る事業を語る。
 これを契機に、秋月所長は日本バリュー・エンジニアリング協会が認定するVEリーダー、VEスペシャリストの資格も取得し、後進の指導にもあたっている。
 建設業界へは「社会資本の着実な整備や維持管理の担い手。災害への備えから復旧までを行う地域の守り手として重要。土木未来教室など建設業界の魅力向上や働き方改革など、一緒になって取り組んでいきたい。令和2年7月豪雨の復旧活動には感謝しかない」と業界との連携を強調、感謝とエールを送った。
 座右の銘は「為せば成る」。趣味はキャンプとロードバイク。2本のポールを用いた「ノルディック・ウォーク」の公認指導員の資格も取得。子ども3人は独立。奥さんを宇佐市に残し、現在単身赴任中。宇佐市出身の54歳。
 【メモ】バリュー・エンジニアリング(VE)とは、使用者の立場に立って機能とコストに着目し、機能・性能・満足度など価値の向上を最大限に図るシステム化された手法。


  略歴~1989年佐賀大学理工学部建設工学科卒、宇佐土木事務所採用。
2017年玖珠土木事務所道路・保全課長、
19年土木建築企画課企画管理第一班参事〈総括〉、
20年道路建設課高速交通ネットワーク推進監を経て、4月から現職。
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