大分建設新聞

インタビュー

原田 満さん(㈱ハラダ施工社長)

2020年07月09日
 原田満社長は、大学卒業後、イベント会社を経て2001年に㈱ハラダ施工(大分市)に入社。14年、社長に就任して現在に至る2代目だが、「入社後7年間は現場作業員として下積みを経験した。その時、ちょうどトキハわさだタウンの仕事に携わり、そこで一から仕事を習ったことが今の自分を形成している。あの時の経験がなかったら、今ここに自分はいない」と熱く語りつつ初心を振り返った。
 しかしながら、「今は、自分が汗を流した時代とは違う。新しい時代のニーズを受け止め、まさに働き方改革に取り組んでいる最中だ」と、現在を見つめる。
 原田社長の話を聞いていると、『あたりまえ』と『サイクル』という言葉がよく出てくる。「ハラダ施工が求める『あたりまえ』は一般的なものではなく、ハラダ施工独自の『優れたアタリマエ』を追求する。そして、お客さまにとって満足できる仕事の結果を残し、次もまた選んでいただける『サイクル』にしなければならない」という意味だ。
 さらに「差別化によりお客さまに喜ばれると、それがハラダ施工にとっての喜びにもつながり、誇りとなり、新たなエネルギーになる。そして、ブランディングを進めていく」と。ブランディングとは、企業と顧客が共通のイメージを認識すること。それが目指すところで、永続的な成長企業のあるべき姿だというのが原田社長のビジョンだ。
 また「建築という仕事は、不動産の物理的特性により同じものを作るのが難しい。やり直しが簡単にはきかない。つまり代替品はない。だから利益至上主義に走らず、絶対品質を担保すべく、その工程をコントロールする必要がある」と、戒めるように話した。
 そのためには、「作るをシンク(Think&Sync)する。つまり、作る現場で考えること(Think)が大切で、さらにそれをみんなで考察しながら同期・追従(Sync)することが必要。工程会議を毎日行い、毎日アップデートしていく。これが、作るをシンクするということ。一個一個の現場は単体で進んで行くが、ほかの複数の現場とのシンクロをしながら、ゴールを見すえて会社全体の流れを組み立ていく。そこに相乗効果、シナジーが生まれることを願っている」と、日々の現場の重要性を特に強調する。
 このような考え方に至った理由はなんだったのか。「現場で下積みをしている時に、明日の仕事がないということが一番モチベーションを下げてしまうと感じ、仕事の空白を作らずにつなげていくことが一番大切だと学んだ」と、原田社長。雇用を守り、会社をつないでいく、強い思いが根底にある。
 インタビューをした社長室の壁には、話のあかしとも言える各現場の工程表がびっしりと貼られていた。「これは大学卒業後に入ったイベント運営の仕事で身に着けた。種々雑多な項目を同時進行させるタイムスケジューリングと、トータルプロデュースの経験が、いま生かされている」と、原田社長は、苦労の思い出を噛み締めながら将来を見つめた。





 
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