川野 大輔さん(大洋測量設計㈱代表取締役社長)
2020年06月03日
大洋測量設計㈱(宇佐市)は、国土調査(地籍調査)、一般測量、建設コンサルタント、補償コンサルタント、施工管理の5つの事業を柱とする1975(昭和50)年創業の会社。
それぞれの事業に必要な有資格者をそろえ、資格の種類は40以上、延べ有資格者数は約140人(社員数の3倍強)という技術者集団。
この4月1日付けで就任した川野大輔社長は36歳。
2007年福岡大学工学部土木工学科を卒業し、日本道路㈱に入社、主に関西支店で舗装工事を経験した後、14年に大洋測量設計に入社した。
ここ数年は、主に砂防基礎調査業務を担当してきたが、最近は測量設計成果の3次元化などにも取り組んでいる。
また、ドローンを使った『橋梁点検』にも力を入れており、ドローンによる橋梁点検では、カメラの進化により画像診断は問題なく、操縦もプログラムによる自動化で効率化が図られている。
しかし、2つの大きな課題があると言う。
一つは「近接目視」に関して。コンクリートの浮きなどを打音検査を含めて、人が臨場しなくてもドローンだけで完結できることを目指している。
もう一つは「画像解析処理の段階で乗り越えなければならない壁を感じている」という目の前の悩み。
橋梁の表面を画像で診断するためには、高画質の画像が必要になる。
そうすると、接写画像を大量に撮影して、それを接合して橋梁全体を分析する必要があるが、「複数のソフトウェアを組み合わせて処理する必要があり、また、それらのソフトウェアの大半が日本製でないことがネックになっている。このため機能や不明確な点についての相談相手が簡単にいないことと、相談できても期待した回答を得ることができない場合が多く、隔靴掻痒の感があるのが現状」と話す。
しかし、川野社長は、その大きな壁の向こうに見える夢を持っている。
全て人による点検の場合は、担当者の技術力や丁寧さの差が出るが、「デジタル化により、その差を無くし最終的な判断が誰でもできる均一化された結果が出るところまで持っていきたい。もう一息というところまで来ている気がしている」と、近い将来、実現可能性の高い目標を見据える。
現在、自身を含めて3人のチームで、このドローンを使った橋梁点検の画像解析に取り組んでいる。
その一人、測量の専門学校を卒業して6年目になる設計部技師の諸冨央基さんに聞くと「画像解析は大変だが、点検技術者と同等以上の結果を得られた時の達成感は大きい。社長が社長業に専念できるように期待に応えて頑張りたい」と、力強く語った。
川野社長は「立場は変わっても、常に現場を見ていなければ」と現場最優先を掲げ、地域に根ざし、地域から必要とされる存在を目指すことを抱負として話を結んだ。
最後に、この4月に就任した父親の川野亮一会長から「数年間は伴走をしてバトンを託したいと思っている」と、心強い一言をもらった。
実は、会長が先代から会社を引き継いだのも36歳だったというのも興味深い。
それぞれの事業に必要な有資格者をそろえ、資格の種類は40以上、延べ有資格者数は約140人(社員数の3倍強)という技術者集団。
この4月1日付けで就任した川野大輔社長は36歳。
2007年福岡大学工学部土木工学科を卒業し、日本道路㈱に入社、主に関西支店で舗装工事を経験した後、14年に大洋測量設計に入社した。
ここ数年は、主に砂防基礎調査業務を担当してきたが、最近は測量設計成果の3次元化などにも取り組んでいる。
また、ドローンを使った『橋梁点検』にも力を入れており、ドローンによる橋梁点検では、カメラの進化により画像診断は問題なく、操縦もプログラムによる自動化で効率化が図られている。
しかし、2つの大きな課題があると言う。
一つは「近接目視」に関して。コンクリートの浮きなどを打音検査を含めて、人が臨場しなくてもドローンだけで完結できることを目指している。
もう一つは「画像解析処理の段階で乗り越えなければならない壁を感じている」という目の前の悩み。
橋梁の表面を画像で診断するためには、高画質の画像が必要になる。
そうすると、接写画像を大量に撮影して、それを接合して橋梁全体を分析する必要があるが、「複数のソフトウェアを組み合わせて処理する必要があり、また、それらのソフトウェアの大半が日本製でないことがネックになっている。このため機能や不明確な点についての相談相手が簡単にいないことと、相談できても期待した回答を得ることができない場合が多く、隔靴掻痒の感があるのが現状」と話す。
しかし、川野社長は、その大きな壁の向こうに見える夢を持っている。
全て人による点検の場合は、担当者の技術力や丁寧さの差が出るが、「デジタル化により、その差を無くし最終的な判断が誰でもできる均一化された結果が出るところまで持っていきたい。もう一息というところまで来ている気がしている」と、近い将来、実現可能性の高い目標を見据える。
現在、自身を含めて3人のチームで、このドローンを使った橋梁点検の画像解析に取り組んでいる。
その一人、測量の専門学校を卒業して6年目になる設計部技師の諸冨央基さんに聞くと「画像解析は大変だが、点検技術者と同等以上の結果を得られた時の達成感は大きい。社長が社長業に専念できるように期待に応えて頑張りたい」と、力強く語った。
川野社長は「立場は変わっても、常に現場を見ていなければ」と現場最優先を掲げ、地域に根ざし、地域から必要とされる存在を目指すことを抱負として話を結んだ。
最後に、この4月に就任した父親の川野亮一会長から「数年間は伴走をしてバトンを託したいと思っている」と、心強い一言をもらった。
実は、会長が先代から会社を引き継いだのも36歳だったというのも興味深い。