大分建設新聞

インタビュー

中村 充宏さん(臼杵土木事務所長)

2019年07月18日
 臼杵土木事務所勤務と単身赴任は初めて。佐伯市で生まれた所長は、小学生の頃まで母の実家がある上臼杵に電車で来て、従兄弟に遊んでもらっていたそうだ。
こうした体験が「臼杵や津久見の人は優しくて温かい」と臼杵の原点になった。
二王座をはじめとした歴史ある街並みの風情が、特にお気に入りだと言う。
 管内の課題としては、一昨年の台風18号災害からの復旧・復興を真っ先に挙げる。
「災害復旧工事は、地元建設業の皆様のおかげで一定の目処が付きつつある。残る関連工事も着実に完成させる」。
 津久見川・彦の内川の河川激甚災害対策特別緊急事業については「これからが正念場。用地取得を伴うため、地元の方々の協力が不可欠。理解が得られるよう、丁寧に説明して事業の前進を図る」と地元の理解と協力を最優先する。
 このほか「臼杵港新フェリーターミナルの整備と、そのアクセス道路として臼杵津久見線などの整備も重要な課題。市や地元経済界、地域の皆さま方のご協力を頂きながら着実に進めていく」と抱負を話す。
 若いころ、谷が深いため遠回りを余儀なくされていた庄内町(現在は由布市庄内町)の県道に、地域の念願だった橋を架けた。
開通式で高齢の人たちの喜んだ顔が忘れられない。「橋の開通を本当に喜んで頂いた。土木技術者の道に進んで良かった」と嬉しい思い出。
 「建設業は現場の最前線で地域の方々を守る、なくてはならない重要な産業。特に災害発生時の初動対応や復旧工事はもちろんのこと、社会資本整備や維持管理に日頃から汗をかいて頂いていることに対して本当に感謝する」とした上で、われわれとしても「就労環境の改善に向け、適切な工期の確保や債務負担行為や早期繰越承認など予算制度の柔軟な活用を積極的に進めていきたい」とエールを送る。
 稲盛和夫氏の「利他の心」が座右の銘。「自分よりも他者を利する「利他の心」をもって、人間として正しいことを追求する生き方」に共感する。
しかし「私は、まだまだ精進が足りません」とも明るく話してくれた。大分市田尻では奥様と幼い2人の子どもが留守を守る。54歳。



1987年熊本大学を卒業して入庁。佐伯土木事務所蒲江駐在所を振り出しに、佐伯土木事務所次長、
土木建築企画課企画管理第1班参事、建設政策課企画調整監兼ラグビーW杯2019推進課参事などを経て、今年4月から現職。
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