大分建設新聞

インタビュー

高瀬 年生さん(玉来ダム建設事務所長)

2019年06月14日
 総事業費240億円。2022年度の完成を目指して建設が進む竹田水害緊急治水ダム建設事業「玉来ダム」は、18年10月29日に堤体コンクリートの初打設式、今年3月16日に定礎式が行われて本体工事の最盛期を迎えようとしている。
 5月の人事異動で前任の古庄和紀所長を引き継いで着任した高瀬年生県玉来ダム建設事務所長は、職員19人を束ねる。
 「県河川課勤務時に、玉来ダム建設に深く関係してきた。災害とダム関連の仕事をしてきたので、非常になじみ深い」という。
「竹田市は、過去に多くの災害があり人命も奪われてきた。平成3年に稲葉ダムを含む事業が採択されて30年近くになる。早期完成に全力を尽くしたい」とダムの完成に意欲を見せる。
 玉来ダムは、堤高52㍍、堤頂長145㍍、貯水量400万立方㍍の流水型で、県内では中規模タイプ。
5月現在、約93億8000万円かけて本体工事が進んでいる。とはいえ本体工事もまだ始まったばかり。
これからダム関連施設や管理事務所建設の発注も予定されている。
 「これまで学んできた知識を建設の実践に生かせれば」と現場主義の側面ものぞかせる高瀬所長。
 「ダムを建設するには、周辺の影響が非常に大きい。しかし地域防災の確保から、早く工事を進める必要がある」と指摘する。
一方で「これだけ早いスピードで進む工事の進捗は、ほかにない。周辺住民の協力があってこそ」と、建設会社JVと地元住民に感謝の意を示した。
 今夏、熱中症対策が叫ばれているなか、工事関係者に「地元の期待も大きいが無事故、無災害が第一。一緒になって安全管理を徹底して行きましょう」と協力を呼び掛ける。
 最後に玉来ダムカレーについて問うと「私も一度食べてみたかった。現在、試作品で話が止まっています」と話し、今後の発展に少し期待していた。
日田市出身の58歳、大分市で妻と娘の3人で暮らす。



立命館大卒、1984年大分県入庁、玖珠土木入り。
日田、国東、三重(現・豊後大野)、臼杵土木事務所など経て、2015年企業局ダム管理部部長、16年県工事検査室室長、現職。
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