大分建設新聞

インタビュー

満生 忠昭さん(㈱フジタ九州支店建築工事部長)

2019年05月15日
 県が、同市横尾の昭和電工ドームの横に建設していた「昭和電工武道スポーツセンター」が完成した。
本体工事を請け負った、フジタ・末宗組JVの現場代理人・満生忠昭さん(51)に、工事全般を振り返ってもらった。
 愛知県豊田市の愛知工業大学工学部建築学科に進学。1990年に㈱フジタに入社。
現場代理人として、長崎県の諫早市役所や福岡法務局など、多くの大型物件を手がけてきた。
 スポーツセンター(アリーナ)建築は初めてで、設計図を見て「どう組み立てようかと施工計画を立てるのに悩み、丸みを帯びた特徴的な躯体を合わせるのに何度もやり直した」という。
一番苦労したのは「人の手配」。県内業者も人手不足状態で、福岡、宮崎の両県から応援を呼び、躯体工事に約1年かかった。
 協力業者は約40社。「東京オリンピック開催前という、インフレの過渡期と重なったこともあり、人手不足の状況が読み切れてなかった」と、不安を感じながら工事を進めていたという。
 屋根の形状に合わせて下の壁のラインを造るため、屋根工事の前に、屋根とカーテンウォールの設置部分はBIM(3次元CAD)を使い施工。
海外の担当者が設計図を描き、それを元に本社のオペレーターを約3ヵ月間呼んで施工。そのおかげで上部工事はやり替えもなく、かなり早く進んだ。
「こんなに早く施工できるなら、躯体工事から使えばよかった」とも。
 工事のウエートを占めたのは仮設工事。高さが約25㍍ある天井のトラス設置では、内部の足場が自分のイメージと違い、足場造りにかなり苦労した。
資材面では、特に今まで2~3週間で入ってきていたガラスが、納入まで約2倍の日数がかかり、ギリギリのタイミングで間に合ったとのこと。
 「躯体工事で試行錯誤し精度を上げたので、屋根設置以降はほぼ予定通り。何とかやり切れた」と話す一方、鉄骨やボルトなどの資材の納期もかなり伸びてきており、「そこを見誤ると今後は仕事ができなくなるのでは」と危惧する。
建築工事部長という役職のため、現場代理人としての仕事はこれが最後。
後輩たちには「途中であきらめると実力がつかない。物事をやるときは、失敗してもいいから最後までやり切ってほしい」とエールを送る。



「何とかやり切れた」と語る満生さん
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