大分建設新聞

インタビュー

山本 匠子さん(小田開発工業㈱)

2018年10月17日
 中学では砲丸投げ、高校に進みハンマー投げで県チャンピオン。
国立鹿屋体育大学に進み、国体などの全国大会でハンマー投げで8位入賞など輝かしい競技歴を持ちながら、昨年春、全く畑違いの土木の世界に飛び込んだ。
 県体育保健課が取り組むトップアスリートの就職支援活動の一つ、大分の競技力アップを目指す「アスナビ・チーム大分プロジェクト」面接会で、小田開発工業㈱の小田剛史社長に会い、仕事の内容や業界の様子などを聞き、すぐさま職場体験を申し込んだという。
 3日間の職場体験では、仕事に励む技術者が、とてもカッコ良く見え、「あこがれていた保育士になっても、自分が経験できる範囲は狭くなりそうだ。人間としてもっと成長したい」と思うようになっていたところ、小田社長の「保育士になりたいと迷う気持ちも分からないではないが、一緒にやってみよう」の一言が、背中を押してくれた。
 大分57号大野竹田道路坪泉地区改良外工事の現場で、児玉和志監理技術者など3人の先輩の指導のもと、ICT情報化施工の基礎データになる3D図面をCADを使って描く作業を担当している。
 今年の九州地整局長表彰のICT工事優秀施工業者表彰を受けた12社の中に、同社も選ばれ、小田社長が表彰式に連れて行ってくれた。
晴れがましい席で改めて、「1年目でやってきたことは、たかが知れている。もっと頑張って、会社の役に立つ、技術者にならなければダメだ」と決意をした。
 作成したデータを載せたバックホウで、思った通りの構造物が出来上がった時、「この仕事をやってて良かった」と感じたそうで、「先輩の足を引っ張ってばかりだけど、一日でも早く、先輩と同レベルの図面が描けるようになりたい。そのためにも、来年は施工管理の資格を取りたい」と目標はしっかりしている。
 児玉監理技術者は「これまでは、我々が、監理の仕事をしながらデータを作っていたので、間違いなどの手戻り作業が多々あった。しかし、山本さんは、早くて正確なデータを作るので、作業効率が随分と上がっており、大変助かっている」と話す。
 アスリート面では、今年の九州選手権女子ハンマー投げで2位、全国実業団選手権で8位に入賞。
「週のうち、月、金は午後2時に仕事を切り上げ、大銀ドームなどで練習をしている。競技と仕事の両立を認めてくれる、会社の配慮に大変感謝している。国体から女子ハンマー投げが無くなり残念だが、ほかの全国大会で優勝したい」と夢を語ってくれた。



児玉監理技術者の指導を受ける山本さん
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