大分建設新聞

インタビュー

藤崎 裕司さん(中津土木事務所長)

2018年07月31日
 中津土木事務所は3回目の勤務。最初は道路係長としてダイハツ九州開業に合わせ、中津高田線の道路改良に取り組んだ。
2回目は2012年の九州北部豪雨災害の時に次長兼企画調査課長として勤務し、災害対応に全力を尽くした。
 今年4月からは所長として勤務。赴任直後に中津市耶馬溪町金吉地区で大規模な山崩れが発生した。
警察、消防、自衛隊、地域の建設業者とともに、事務所職員も一丸となり24時間体制で対応。
懸命に救助活動を行ったが、6人が遺体で発見された。
 「誠に心が痛む結果」と振り返る。
そして「改めて土木事務所は地域の防災センターであり、常日頃から危機管理意識を持って対応することの重要性を再認識した」と話す。
 当面の課題はさまざまある。防災・減災対策もその一つ。
12年と17年に発生した豪雨災害で、浸水した山国川の河川改修事業がある。
万田四日市線交通安全事業、外馬場錆矢堂線街路事業等の歩道整備もある。
地域経済の振興に資する「社会資本整備も着実にスピード感を持って推進する必要がある」と言う。
具体的には大分県、北部九州の発展を支える地域高規格道路中津日田道路の耶馬溪道路、中津高田線道路改良事業などの広域交通網の整備を挙げる。
 「来秋開催のラグビーワールドカップでは、海外から多くの観光客が来県される。道路標識の整備や沿道の草刈りなど景観整備の維持管理にも力を注ぎたい」
 建設業界については「12年と17年の九州北部豪雨災害、そして耶馬溪町金吉地区での大規模土砂崩壊での、災害復旧や人命救助などの対応に尽力頂き、感謝に絶えない。同時に、災害緊急時での迅速な防災活動に重要な役割を果たしていることを再認識した」と話す。
 「建設業は地域経済の発展にも欠かせない主要な産業であると認識している」とした上で、「担い手確保や作業員の高齢化などの問題点はあるが、建設会社個々のポテンシャルは優れており、業界としてIT化などによる創意工夫と一致団結で乗り切ってほしい。土木事務所としても技術者講習会や業界との意見交換会などを通して、微力ながら力になりたい」と期待を込めた。
 熱烈な巨人ファンであり、巨人戦を見に行くことが楽しみの一つ。
県職員で構成している野球チーム「DNA」では監督を務め、毎年参加しているOB野球大会で県大会出場を目指し、練習に励んでいる。



57歳。1985年九州大学を卒業後、県職員に。
日田土木事務所を初任地に、道路建設課 企画調査班参事(総括)、宇佐土木事務所長、公園生活排水課長などを経て、4月から現職。
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