大分建設新聞

インタビュー

久保 力夫さん(㈲松秀社長)

2018年07月06日
 別府市で新たな高級ホテルの建設計画が進んでいる。
同市上人ケ浜で、宿泊施設「潮騒の宿晴海」などを手掛ける㈲松秀(久保力夫社長、61)が、「ガハマタワー」と「クラブフロア」を新築。2019年夏から秋の開館を目指す。
 来秋は大分などでラグビーのワールドカップ(W杯)がある。
20年の東京オリンピック・パラリンピックも控え、外国人旅行客の増加を見込んで別府の旅館業界も活気づいている。
 「今まさに、別府は新たに生まれ変わろうとしている。食事や音楽もそうだが、土地の魅力(資源)を楽しみながら、地元や国内外のお客さまに喜んでいただける〈オンリーワン〉を目指したい」と言う。
 久保さんは1981年から大分市でジャズ喫茶を経営。
旅館業への参入は88年で県遺族会館「青海」の建物を借り受けたのが始まり。
 93年に同施設を買収して「潮騒の宿晴海」として再出発し、その後も、増改築や新築を進めてきた。
 2016年には、久留米の豪商、故国武金太郎氏が1927年に建築した「旧国武別荘」の土地建物を買い取り、歴史的建築物を活用した宿泊施設「GAHAMAterrace」を新設。
茶室付きの離れでは、お茶や着物などの日本文化も体験できる。よ
り高付加価値なサービスを提供しようと人材育成にも取り組み、顧客満足度が高い高級旅館を目指して、海外富裕層の更なる取り込みを図った。
 「遊び心を大切にして、常にお客さまの目線で考えることが大事。自分目線に偏ってしまうと必ず失敗に終わる。自分がお客になった気持ちで良いと感じたものを取り入れるようにしている」と話す久保さん。
今回の計画でも遊び心、自由な発想がデザインなどに生かされている。
 海外客には、食生活や適度な運動などを含め積極的に心身の健康維持・増進を図ろうとする生活態度(ウェルネス)が重要視される。
温泉だけでない「別府のポテンシャルをさらに引き出していきたい」と語る。
「奥さんが一番の相棒」と言い、建物は久保さん、調度品などは奥様の見立てで、センスの良さが光る。
 音楽好きの久保さんの次の夢は、本格的なライブハウスを設けることだ。



「常にお客様目線で」と久保社長
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