大分建設新聞

インタビュー

藤原 隆司さん(県豊肥振興局長)

2018年06月13日
 「豊肥地域に赴任したのは初めて。地理や歴史も初めて知るから、自然や文化の美しさ、住民の力強さが新鮮に見えてくる。日々、豊肥地域への興味が増してくる」と語る。
 「言うまでもなく県下最大の農業地帯。中九州横断道路が整備され、夢が膨らむ地域だ」と力説する。
 豊肥振興局が管轄する豊後大野、竹田両市の農業産出額(2016年度推計)は、県内の約27%(355億9000万円)で、野菜34・7%、畜産29・1%を占める。
 特に夏秋野菜の「トマト」「ピーマン」は県下最大の産地である。
乾燥シイタケの生産も県内の4割を占める。地域の農業振興は最重要の課題となる。
 「国のコメ政策の見直しが進む中、畑地化に向けて、一層の園芸品目の導入、支援に取り組む。コメは、食味評価で『特A』を取得した『ヒノヒカリ』の産地であり、もうかる農業の実現を目指したい」と意気込んだ。
 豊肥地域で深刻な高齢化、後継者問題。新たな農業の担い手確保のため、県外から受け入れている竹田市荻町の「トマト学校」、豊後大野市大野町の「インキュベーションファーム」で、これまで研修した計39人が就農している。
 また、企業の農業参入も44社と、年々増加傾向にあるという。
 農業・地域振興との関連で、注目するのは「道の駅」。管内に8ヵ所ある。
 「農業に関連しては道の駅での野菜類の販売はもちろん、道の駅を活用した魅力ある食の情報発信が必要だ」と話す。
 「ジオパークや、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークなど観光資源の活用にも積極的に取り組む」という。
 建設業については「地域の環境整備に、絶対に欠かせない。17年度は、相次ぐ災害で農地や農業用施設も多くの被害を受けた。災害対応や、今も続いている管内の災害復旧事業で、地元建設業には大変感謝している」と述べた。
 さらに「社会的に求められる役割が増す中、人材育成・確保や、高度技術の継承など喫緊の課題も多いと聞く。一緒に課題に取り組みたい」とメッセージを送った。
 2人の子どもは県外へ。大分市の自宅に妻を残し、現在、単身赴任中。
 趣味は、読書。特に松本清張シリーズが大好き。
 特技は両手が器用に使えることだそうだ。
 座右の銘は「真摯に取り組むこと、至誠一貫」と控えめな笑顔で答えた、57歳。



1960年、中津市山国町生まれ。中津南高校から鹿児島大学法文学部卒業後、83年、県入り。
98年に西高振興局総務係長、2010年に南部振興局地域振興部長、15年に県人事課長となり、4月から現職。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP