大分建設新聞

インタビュー

渡辺 輝光さん(佐伯土木所長)

2018年05月11日
 佐伯土木事務所での勤務は4回目になる。
「最初は1995年から2年間、河港砂防課で砂防事業」を担当した。「家族と一緒で子どもは佐伯の幼稚園に通った」などと当時を思い出す。
 2回目は2002年から3年間。「東九州自動車道が津久見から佐伯まで延伸するころ」だった。
NEXCO西日本(西日本高速道路)と残土処理や高速関連事業の計画について協議を重ねたという。
 新佐伯市誕生に向けた9市町村の合併支援道路計画の策定や、県内で初めての取り組みとなった赤木吹原佐伯線の1・5車線的改良計画で先進県の奈良や高知などの事例をもとに試行錯誤したことも良い思い出になっている。
 3回目の勤務は12年の1年間だけだった。
「2回目の勤務で計画に携わった東九州自動車道の開通に立ち会うことができた。管内の至るところに、それぞれ愛着があり、懐かしくもある」と言う。
 思い出に強く残るのは「道路公社時代」。
「大野川大橋有料道路などの有料道路事業で、収益(効果=便益=料金徴収可能額)と費用(投資額+利子+運営費)の試算を繰り返しながら事業計画を作り上げた。いまでは費用対効果(B/C)として当たり前の指標となっているが、当時は私の心に大きな変化を与えてくれた」と語る。
 管内の大きな課題は残土処理。
「トンネル掘削などの大規模な工事を予定する事業を多く抱えている。昨年の台風18号で被災した井崎川の復旧工事や多くの要望をいただく河床掘削工事なども急がれるが、残土処理場がなく困っている。今後、市やほかの土木事務所などと連携して解決にあたりたい」と話す。
 公共投資の減少や少子高齢化などの影響で、建設業界全体の活力が低下していると感じる。
「自分の子どもに後を継がせるような業界に戻るには、きちんと利益を出しながら、市民から喜んでもらえる仕事をしていると感じることで、やりがいを感じる職種にしていく必要がある。」「10年後に活力のある業界となるためにも、これまでの功績や今後果たすべき役割などを広くPRしながらイメージアップを図っていきましょう」と呼びかける。
 趣味は山歩きと自転車。
「久住や家の近くの林道を歩いている。自転車で別府や佐賀関まで走り、時に国道57号をウロウロしたりしている」と笑う。大分市生まれの57歳。


1986年に熊本大学を卒業して県職員に。佐伯土木次長兼企画調査課長、道路課企画調査班参事、
豊後高田土木事務所長、都市・まちづくり推進課長を経て、今年4月、現職。
 
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP