大分建設新聞

インタビュー

山﨑 剛さん(竹田土木事務所長)

2017年10月03日
 所長就任時、職員を前に「県民が安心して暮らせるよう、全職員が知恵を出し合い、同じ方向を向いて仕事をしよう」と訓示した。
 その背景を聞くと、竹田管内の災害の多さを指摘。くしくも、就任後の7月には九州北部豪雨が発生。
久住や直入地区の河川を中心に76件、約6億円の被害報告を受けている。
さらに、9月17、18の両日、台風18号の接近で、県道沿いの斜面が崩れるなどの被害が出た。
 24年7月、大分土木河川課長だった当時、由布市の金鱗湖近くを流れる岳本川に、崩壊した山の斜面から立木と土石流が一気に流れ込み、県道別府湯布院線を越え、湯の坪街道まで土砂が流入し、ひどい状況だった。
 岳本川の現場で工事をしていた現場代理人が「この雨の降り方は、いつもと違う」と、下流の人家にいた女性を背負って避難させ、その直後に土石流が家を襲った。
地域を知り尽くしている地元業者の勇気ある行動に感動したことが記憶に新しい。
 今年度は、30年度完成予定で国が整備している、中九州横断道路「大野竹田道路」の竹田インターチェンジから、一般国道57号へのアクセス道路・竹田直入線の整備。
大分市から久住町を経て熊本県境に至る、一般国道442号の拡幅工事。
県道庄内久住線(ぐるっとくじゅう周遊道路の一部)の歩行者の安全や通学路確保など、道路整備を実施している。
 「今後は、竹田市が元気になる広域道路や生活道路の整備はもちろん、安全・安心の流木や土砂災害対策(スリットダム〈通水部に櫛状の隙間などを設けた砂防ダム〉)など、防災対策なども検討していきたい」と言う。
 「九州北部豪雨災害の査定は、これから。来年の梅雨時期には竣工できるよう、実施に向けて進める。建設業協会とは災害協定に基づき、災害時には出動してもらっており、今後も協力関係を維持していきたい。建設業の人材不足は喫緊の課題で、官民ともに建設業の魅力をインターンシップなどでアピールしていきたい。女性の力を増やし、女性目線の感覚を取り入れる必要も感じている。建設業は地域にとって大事な基幹産業、気概を持ってこれからも頑張ってほしい」と話した。
 趣味は渓流釣り。59歳。


略歴
昭和54年、大分高専土木工学科卒。旧国鉄、JR九州勤務を経て平成元年、県職員に。
各土木事務所などに勤務。竹田土木次長、大分土木次長、前任の玖珠土木所長から今年4月、現職。由布市狭間町出身。
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