大分建設新聞

インタビュー

髙橋 浩一さん(豊後大野土木事務所長)

2017年09月26日
 就任早々に豊後大野市朝地町綿田地区で地すべりが発生した。
「5月19日に市から支援協力要請を受けた。近年にない大規模な地すべり災害だと感じた」と、地すべり災害に直面した、当時の心境を語る。
 今も対策工事が進む、その綿田地区。年度当初、事務所職員に「これから事業が始まる。地元住民はもちろん、県の関係各課、豊後大野市などとの連携を心がけ、県民から仕事への理解を得られるようなスケジュールを組んでもらいたい」と呼び掛けた。
地割れの幅も日々拡大。観測する伸縮計を設置するなど、職員が地すべり災害対応の経験がない中、5月23日から6月14日までは24時間体制で不眠不休の対応に追われたという。
 「当初は、先の見えない不安もあって混乱したが、マスコミや現場対応など各課の役割分担を冷静、着実にこなしていくうちに対策の糸口が見えてきた」と語る。
 また5月26日には、南側を流れる平井川が、地すべりでせき止められる危険があったことから、大建協大野支部に災害協力を要請。
土のうを積むなどして、仮排水路を緊急設置した。「突然起こる災害に備えて、地元の対応力がいかに大事か再認識させられた」と語る。
 業界は今、労務単価引き上げ、担い手確保、週休二日制導入など労働環境の改善を急ぎ、地元業者をいかに維持するかが大きな課題。
その取り組みの一つが発注の平準化。県としても、9月頃に集中する発注を6、7月頃に分散化するなど、少しでも建設業の経営、労働環境改善につなげたいと言う。
 大建協大野支部に対して「朝地町の地すべり災害では、迅速に対応工事をしていただいた。7月九州北部豪雨では、2次災害が起きることもなかった。厚くお礼申しあげます」と深く頭を下げた。
 単身赴任中。最近、長女が結婚し、大分市内にある自宅では、奥さん、長男が暮らす。趣味は読書。控え目のハンサムな57歳。



略歴
昭和58年に九州大学を卒業して、宇佐土木入り。
道路整備促進室長補佐、国東土木所長などを経て、前任の公共工事入札管理室長から今年4月、現職。宇佐市出身。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP