大分建設新聞

インタビュー

古庄 和紀さん(玉来ダム建設事務所長)

2017年09月21日
 玉来ダムは、全国の流水型ダム(洪水調節専用)の9例目、九州では鹿児島県の西之谷ダムに次ぐ2例目で、34年度完成を目指す。
過去に数回、玉来川や稲葉川が氾濫し竹田市街地に大きな水害をもたらした。稲葉ダムは22年度に完成した。
しかし玉来川では、24年7月の九州北部豪雨で死者2人を出すなど、再び甚大な被害が発生した。
7月25日、玉来ダム建設工事の安全祈願祭が行われ、本体工事に着手。
市街地を洪水から守るために、早期完成を目指す。
 「玉来ダム事務所勤務は、2回目。中九州横断道路が30年度に竹田インターチェンジまで開通し、岡城跡や城下町など貴重な観光資源が広がる竹田市は、一層にぎやかになる」と笑顔で語る。
「稲葉ダムと違って、玉来ダムは洪水時以外は、水をためない流水型。8月17日に、工事区間の川の流れを転流トンネルに切り変えた。また転流区間に棲む魚などの生物を下流に移し、工事で自然が損なわれないようにすることも大切」と自然を愛する気持ちも忘れない。
 多忙な毎日。ダム建設事業の着実な推進や、県民、地元住民の意見に耳を傾け、職員の健康配慮、風通しのよい職場づくりなど〝日々全力投球〟。
「欲を言えば職場の年齢層が高く、落ち着きがありすぎる感じ。もっと、チャレンジ精神を持って自分を積極的にアピールする姿勢がほしい」と事務所スタッフに優しくメッセージを送った。
 建設業は、社会インフラ整備や災害時の復旧に日夜活躍し、県民の安全・安心を守る基幹産業。
公共事業の減少や若手技能者不足などから経営が一層厳しくなっている。
「管内の業者からも後継者がいないと聞く。技術力向上に協力するとともに、発注の平準化に努めるので一緒に頑張ってもらいたい」と語った。
 大分市内の自宅に妻を残して単身赴任。家庭菜園が趣味の55歳。



略歴
昭和59年、芝浦工業大学を卒業。民間会社勤務を経て、63年に現漁港漁村整備課入り。
道路建設課高速交通ネットワーク推進監などを経て、前任の国東土木事務所長から今年4月、現職。豊後大野市緒方町出身。
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