大分建設新聞

インタビュー

岡田 雄さん(中部振興局長)

2017年08月04日
 昭和57年、大分大学を卒業して県職員に。中部振興局は、初めての勤務。管内は大分市など4市で県全体の人口の48・8%を占める。
振興局は、災害などの危機管理をはじめ、地域の維持・活性化、農林水産業や観光振興による地域活性化など幅広い分野を担当している。
 九州北部豪雨の際は、局に泊まり込んで情報収集や指示を出した。
「28年にあった熊本・大分地震の影響が、ほぼ回復しつつあった矢先に、今回の豪雨災害。被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げる。幸いにも管内のインフラや農地などの被害は少なくて済んだが、JR久大本線が不通になるなど、観光客の減少、風評被害対策などに早急に取り組む必要がある」と、地震から戻りつつあった管内の観光産業を心配する。
また、昨年から続く大災害を受け、改めて常日頃から災害対応に備え、万全な態勢で臨んでいくという。
 重点的な取り組みとしては、▽九州北部豪雨からの観光産業立て直し▽東九州自動車道全線開通を契機に、九州の東の玄関口としての強みを生かし、海を挟んだ愛媛県西伊予地域との交流促進▽30年度に開かれる国民文化祭と全国障害者芸術文化祭、31年のラグビーワールドカップに向けた開催準備と連携したまちづくり―などを進める。また、30年から廃止される米の生産調整を考え、米偏重の農業から脱却して、収益性の高い園芸作物などへの転換、農業農村整備と治山・林道事業の適切な執行などを重要視している。
 管内の事業では、28年度補正予算の繰り越しで大幅に事業費が増額した水路や治山ダムなどの整備、29年度開通の広域農道「大南野津2期地区」、31年度完了予定の野津地区の石場ダム改修などに取り組む。
「とにかく、県民中心の県政として、最前線機関である振興局が、現場に足を運び、直接目で見て、声を聞いていくことが大事。県民と職員が一丸になり、地域を元気にしたい」と語る。
 建設業界へは「熊本・大分地震による農地災害などの復旧に尽力していただいたおかげで、29年の作付けに間に合った。県民の命と暮らしを守る社会資本整備や公共施設の老朽化対策など、まだまだ協力をお願いすることがある。引き続き、技術向上や人材育成に尽力していただきたい」と期待する。津久見市出身の58歳。



略歴
昭和57年、県採用。
南部振興局地域振興部長、市町村振興課長、教育庁教育財務課長、県自治人材育成センター常務理事に出向などを経て、今年4月、現職。
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