大分建設新聞

インタビュー

工藤 典幸さん(県西部振興局長)

2017年07月19日
 「日田は初めての任地。歴史・文化や自然景観などが素晴らしい」と第一印象を語る。
管内には、日本遺産「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源」、ユネスコ無形文化遺産「日田祇園の曳山行事」、日本遺産「やばけい遊覧」や阿蘇くじゅう国立公園があるからだ。
「地域資源を生かした林業、製材業、家具、下駄などの木工産業と、ミネラル水の製造所や醸造業(酒・焼酎・ビール)などが根付いている。ただ、これら豊かな資源情報を、国内はもちろん外国にも積極的に発信すべき。それも、これまでバラバラだったのをまとめた形で発信したい」と意気込む。
 局の事業は農業、林業など多岐にわたる。農業関係では、ため池や水路の老朽化対策が急がれる。
「水は農業の命。急を要するところから丁寧に補修していきたい」と語る。
そして農業の6次産業化。おおいた食品産業企業会とコラボし、農業の生産から加工、販売まで一体化して付加価値を高め、農家を応援したい」と語る。
農家の出で、今も父の稲作(60㌃)を手伝い、厳しい農業、農家の実情を肌で知る身だ。
 林業は今、国産材のニーズが高まり、海外からの需要もある。管内の製材工場の大径材加工工場の建設計画を支援したい。
また昨年創設した、家1棟分まとめて受注できる(一社)「G―wood」の販売実績は6千立方㍍、今年は1万立方㍍を目指しており、これにも大いに期待している。
これまで地元の要望に応えきれていない課題も多い。例えば、大規模林道と国道の接続などが挙げられる。
 このほか、昨年の熊本地震・梅雨前線豪雨で被災した県道飯田高原中村線の長井野A地区の山腹工などもある。
「難工事だが、早期の完成を目指して、精いっぱい努力する」と語る。
 建設業は、工事量が減り従業員の高齢化や人材確保も難しいと察する。国の「経営革新制度」がある。
新事業・商品を計画し、認定されると翌年に補助金が出る。そうした制度を活用するのも、一つのチャレンジだ。豊後大野市朝地町出身の57歳。



略歴
昭和57年、九州大学を卒業して県職員に。
人事課、工業振興課産業企画監、商工労働企画課総務企画監、経営金融支援室長、前任の工業振興課長を経て、ことし4月、現職。

 
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