大分建設新聞

インタビュー

照山 剛さん(日出水利耕地事務所長)

2017年07月12日
 県採用後、6年から3年間、杵築市の県国東半島総合土地改良事業事務所に勤務し、速見地区の広域農道や杵築市の溝井地区一般農道、横城地区開拓地整備などを担当。
その後、東部、西部、中部、北部各振興局の農林基盤部長を務めた。
 これまでに担当した事業は、ほ場・農道の整備やため池改修、農業用排水路の改修など、多数の農業基盤整備にたずさわってきた。いわば、農業土木のスペシャリストだ。
 管内には、杵築市を中心にため池が404ヵ所ある。
「その多くは老朽化が著しく、数が多く改修が円滑に進まない面もあるが、農家の高齢化などで維持管理が難しい。予算配分をみながら順次整備を進めていく」と意欲的。
 県では「25年から、下流地域への影響の大きいため池は、地元の負担率を1%に見直したため、地元からの整備要望が多くなってきた。ため池は用水源確保や大雨時の一時貯留による危険防止機能もある。また、中山間地域の基盤整備、集落道・排水路の改修など生活環境面の整備も必要。管内には水田地帯が多いが、コメの価格低迷で農業収入が低下しているので、水田を畑地化してナスやキュウリなどの野菜栽培に変更し、少しでも農業収入を増やしていけるよう整備したい。地域全体を見通し、計画段階から農地の使用方法なども地元の方々と一緒に考えていきたい」と語った。
 建設業に関しては「事業予算が少ない時期に規模縮小を図るなど苦労されている企業もある。お互いに同じ立場に立ち、良い仕事ができるような関係づくりに取り組みたい。発注者責任も踏まえ業者さんの負担にならないように考えていきたい。業界の課題は、やはり担い手の確保と後継者の育成が必要。現場見学会などの活動に尽力してほしい」と期待。
 職員には「将来的にも必ず役に立つので、担当外の様々な現場の状況をできるだけたくさん見て、技術向上を目指してほしい。農業を支えているという自負を持って頑張ってほしい」と話した。
 趣味は読書。日本人の心が表現された時代劇シリーズを愛読する。国東市出身の59歳。



略歴
昭和55年、宮崎大学農学部農業工学科を卒業して、県職員に。
国東半島総合土地改良事業事務所、東部、西部、中部、北部各振興局農林基盤部長を経て、今年4月、現職。
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