大分建設新聞

インタビュー

村井 尚さん(大分県中部振興局長)

2016年09月14日
 就任早々、熊本地震が発生。とりわけ被害が大きかった由布市は、中部振興局の管轄。
職員らは、老朽施設が多いため池の緊急点検と調査、農地被害などの応急対応に奔走した。
「特に農地は、田植え前ということもあって、職員総出で農家や水田を回って、作付けができるように、全力で対応した。それに、湯布院の観光業界は大きな打撃を受けた。九州ふっこう割などの効果で、客足は戻りつつあるが、これからも災害復旧と合わせ、観光業の復活にも力を入れたい」と決意を語る。
 28年度の振興局の事業としては、ため池に優先順位を付けながら、改修工事などのハード面とハザードマップ作成などのソフト面の両面から対策を進める。
国道10号の代替道路の役割も持つ広域農道「大南野津」の29年度完成に向けた整備なども重要課題に挙げる。
管内の主産物のひとつ、ピーマンやニラなどの農産物、関あじ・関さば、臼杵ふぐなどの水産物の生産、消費の拡大も重要な仕事だ。
 「振興局は現場に密着した仕事だから、やりがいがある。農林水産業、観光、地域振興と守備範囲は広いが、とにかく、地域の方々の声を聞くことが大事だと思っている」と話し、管内を動き回りながら多くの人の話に耳を傾けている。
 思い出に残っている仕事は、杵築市の農業文化公園の建設に携わったことと自治省(現総務省)に4年間出向したことだという。
いまでも、関西や四国などで活躍している自治省時代の同僚たちと連絡を取り合っているそうだ。
 建設業へは「公共工事は、みなさんの技術力で成り立っている。熊本地震もそうだが、災害などの応急復旧対応は建設業無くしてはできない。県民の安心・安全のために尽力していただき、感謝している」と話し、いざという時の対応に大きな期待を寄せる。
 趣味は、愛犬の散歩と読書だそうで、ミステリー小説をよく読む。
かつてはギターに親しんだ。時間に余裕ができたら、また弾いてみたいと思っている。臼杵市出身の57歳。



略歴
昭和57年、九州大学を卒業、県職員に。
日田保健所、自治省出向、大分農業文化公園建設推進室副主幹、土木建築部監理課主幹、教育財務課財務企画監、農林水産部参事監兼農林水産企画課長などを経て、ことし4月、現職。

 
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