大分建設新聞

インタビュー

古庄 和紀さん(国東土木事務所長)

2016年07月07日
 国東土木勤務は今回で2度目。「仏の里国東」の名がピッタリする穏やかな地域性。
観光客が多いということもあって、管内の道路改良率は、89・5%と県内12土木事務所の中でも高い水準という。
 「国東には、大分空港とフェリーが就航する竹田津港という九州の東の玄関口がある。空港道路の4車線区間の延伸によるアクセス改善、竹田津港までの定時性の確保など2つの拠点を中心に、社会資本整備に取り組む。行入ダムや安岐ダムといった治水ダムについても、気を引き締めて管理に当たる」と話す。
当面の課題は、平成9年と10年に浸水被害を受けた武蔵川の上流部で進めている災害復旧工事の早期完成。「可能な限り早く仕上げたい」と。
 印象深い事業について聞いてみると「大きなプロジェクトでは、竹田ダム建設事務所にいた当時、稲葉ダムの補償基準が妥結したことや、中津日田道路の本耶馬渓・耶馬溪道路の工事に携わったこと。また、大分土木事務所勤務時に、道路維持などを主とする保全班に所属していた頃は、住民からの多種多様なニーズが寄せられたことに驚いた」と言う。
 建設業の受注環境の厳しさや人手確保難を案じる。
「建設産業は、言うまでもなく社会インフラ整備や災害時の復旧対応など、県民の安心安全を守る上で欠かすことができない基幹産業。ただ、建設投資額の減少や、若年就労者の減少などの問題を抱えている。私たちも、業界のイメージアップのため、工事の平準化を推進するなど安定した職場をアピールできるように、努力しないといけないと思う。さらに、建設業の方々との意見交換会や技術講習会などを通じて、貴重な意見の収集と情報の共有化を図っていきたい」と意気込みを語った。
 熊本地震発生後も、建設業者と一緒に管内のパトロールにあたったが、大きな被害はなかったという。
 事務所のスタッフにも、気軽に所長室に入ってもらえるよう、風通しのよい職場づくりを目指したいと言う。
 休日は、トマトやナスなどの家庭菜園づくりに励んでいる。大分市内の自宅に奥様を残して単身赴任。豊後大野市出身の54歳。



略歴
芝浦工業大学卒業後、設計コンサルタント会社に勤めた後、県職員に。国東土木、東京事務所、道路建設課高速交通ネットワーク推進監などを経て今年4月、現職。
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