大分建設新聞

インタビュー

後藤 裕司さん(豊後高田土木事務所長)

2016年06月22日
 豊後高田土木事務所は初めての勤務だが、高田は、かつて本庁で県道整備を担当していた際に携わった事業が多く、現場を見ると懐かしく感じる。
「昭和の町をはじめ、夕陽百選の真玉海岸や壮大な菜の花風景の長崎鼻、海岸線の恋叶ロードなど、優れた観光資源を活かした魅力的な地域。また、北部中核工業団地に誘致した自動車関連企業などや、市の定住・移住促進対策などは元気がある。自然環境豊かな住みやすい街」と語った。
 事務所の課題は多い。「道路や河川の整備は比較的進んでいるが、通学路などの歩道整備や市中心部と観光地を結ぶネットワークの充実、土砂災害対策なども残されている。また、市と連携して、安心な暮らしを守る県土づくり、市のツーリズムを支援するなど活力とうるおいのある地域づくり、発展を支える交通ネットワークの充実などに向けて全力を挙げたい。日常業務においても県民目線に立ち、何を求められ、どうすれば貢献できるのかよく考えて事業に当たりたい」と語る。
 建設業界への思いを聞くと、「県民生活や経済活動の基盤となる社会資本整備や災害時の対応など、重要な役割を担う。特に、懸念されている南海トラフ巨大地震が発生したら、救命・救援活動のため、真っ先に道路啓開などに迅速な行動が求められる。県民の安全・安心確保のため欠かすことのできない重要な産業だ。また、社会資本の老朽化対策が急務。それも将来にわたり十分な機能を発揮するためには品質確保が一層重要になる」と。
 一方、工事現場は湧水や土質などどが様々なため、現場ごとに配置する一定の技術者数を確保する必要があり、近年の若い技術者不足などをどう解消するかが大きなテーマ。私たちとしても小中学生への出前授業などで業界の魅力を発信するなど微力ながら人材確保に努めたい。建設業界は若手技術者に技術を伝承するとともに、引き続き地域の安全・安心を支える基幹産業として、誇りを持って業務に励んでいただきたい」と期待。
 趣味は、健康づくりの基礎トレーニングとして始めたウエートトレーニング。毎月の科学の本の新刊出版が楽しみともいう。



略歴
昭和61年、九州大学大学院修士課程を修了して県職員に。都市計画課を振り出しに、佐伯土木技術担当次長、前任の道路保全課参事を経て、今年4月、現職。55歳。
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