大分建設新聞

インタビュー

川野 幸男さん(津久見市長)

2016年06月21日
 市長に就任して、半年余り。「市長選は、(出馬を)どうしようかと迷ったが、一度きりの人生。自分の経験を活かし、津久見をどうにかしたい、元気づけたいと思い、立候補した」。
その一念で今職務に集中している。
 抱える課題は多い。「最たるは、人口減少、少子高齢化、過疎化にどう対応するかだが、大事なのは市民が津久見の良さをきちんと知っておいてもらうこと。潜在力のある観光はそのきっかっけになる。28年度からは鉱山や工場群など津久見ならではの景観を活かして観光戦略に力を入れたい」と策を練っている。
「観光交流人口が増えれば、当の観光業界はもちろん、昔からファンが多いつくみミカンや津アジ・津サバなど豊かな海の幸を持つ漁業への波及効果が見込める。イルカ島の多面的活用や埋立地と中心市街地の活性化とともに、保戸島や無垢島を含む市全体をどう浮揚させるかが大きなテーマ。それに、津久見には若者のパワーが必要だ。津久見は、土地がない、狭い、地価が高いと言われているが、実際には、空き地が多く空き家も増えている。ただ行政だけでは、できることが限られる。民間と連携しながら、定住促進を図りたい」と。
その一つとして、3月に、市有地の売却価格を2割以上引き下げた。
 熊本地震については、「避難場所選定や災害対策本部の設置だけが行政の災害時の対応の全てではない。罹災証明の発行など市役所が持つ市民サービスをフルに機能させる必要がある。前々から考えていたが、築後60年近い市庁舎では、市役所が持つ本来の機能が働かなくなる心配がある。庁内検討委員会を立ち上げ改築の方法などを考えているが、財源をどこから持ってくるかが最大の課題」だという。
 また、国の公共工事予算をどうすれば津久見に回してもらえるかを考えている。
「国道217号平岩松崎バイパス工事の進展や津久見港堅浦地区の整備促進などの県工事では、県と連携し、津久見に目を向けてもらえるよう精いっぱい頑張る。市道徳浦松崎線の水晶山工区道路改良事業は、通学生の安全確保のためにも一日でも早く完成させたい。それに上下水道の整備も、浄化槽との組み合わせでやっていく」と力を込める。
 建設業には熱い期待。「災害時に、真っ先に動いてもらい、市民の安全・安心を担ってもらっている。すごく重要なことだと思う。寒波の時は、管工事業者に、今回の地震では、県建設業協会津久見支部にも協力していただき、大変助かった。もっと、地元の業者に発注したいが、予算も限られていて、はがゆい思いをすることもある」と話す。


略歴
昭和56年、九州大学経済学部を卒業して、県職員に。本庁や出先で勤務。国東市の副市長も務めた。
総務部参事監兼市町村振興課長、中部振興局次長兼地域防災監。27年7月に県退職、27年12月6日、市長当選。58歳。
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