大分建設新聞

インタビュー

山本 修司さん(南部地方振興局長)

2016年06月17日
 「中学3年から高校卒業までの4年間を佐伯で過ごした。佐伯の方々は、外からの人間もすぐに仲間に入れてくれた。大らかで、やさしい人が多かった。久しぶりに佐伯に来てみて、若い人が建てたと思えるような戸建ての家が目に付き、まちに元気を感じる。造船など働く場所が多く、水産業など1次産業も盛んなのだと改めて感じた」と着任の感想。
 長いこと本庁で予算や人事、行財政改革などの仕事に携わった。
ことに、福祉保健企画課では、それまで12あった保健所を6保健所と3保健部(支所)に統合したほか、医務課、医療政策課では、医師不足に悩んでいた内科系に強い三重病院と外科系に強い公立おがた病院を統合して、新たに豊後大野市民病院とするなど保健医療の充実に取り組んだ。
 「豊後大野市民病院を立ち上げた際は、市役所との共同作業だった。県と市の立場に違いもあったが『地域医療をどう守っていくか』の思いで議論を重ねながら、なんとかやり終えたのが、一番の思い出」と。
 「当面の課題は、佐伯の海・山の豊富な資源を活かした仕事をつくり、防災対策や買い物難民の問題も含め、生活基盤をしっかり守ること。仕事創出面では、佐伯市などと一緒に推進している今の観光戦略が、28年度までなので、29年度からの新戦略を立てることになる。その中に、スポーツツーリズムやインバウンド受入などを戦略にしようなどと話している。観光のほか、一次産業の支援にも力を入れる。特に水産業は、県内の養殖水揚高のうち管内が約8割を占める。主力のブリ、ヒラマサを中心に、付価加値の高いカボスブリ、カボスヒラメ、冷凍クロマグロなど、流通面をしっかり考え、世界に売り込みたい。世界相手の流通となれば、若者に夢を与え、次代の担い手育成にもつながる」と力を込めた。
 「国も県も公共工事が減少し、事業量が減っているので、民間の新たな仕事をつくり出すお手伝いをしたい。また、防災面を考えると、まだまだ基盤整備が必要。一つは、東九州道の4車線化だ。熊本地震の時、湯布院で大分道が通行止めになったが、4車線のうち2車線を使って通行止めが解除された。災害時に真っ先に駆けつけて、県民の安全安心のため頑張ってくれている建設業界の皆さんのために、事業の優先順位を考えながら、しっかりと国に予算要望したい」と語る。
 趣味は特にないが、図書館をよく利用する。大分市に奥様を残しての単身赴任は、「あまり苦には、なりません」。大分市出身。57歳。



略歴
昭和58年、中央大学を卒業して、県職員に。企業局総務課主幹、医務課地域医療班課長補佐、医療政策課地域医療政策監、東部保健所次長兼健康安全企画課長、前任の行政企画課長を経て今年4月、現職。
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