大分建設新聞

インタビュー

石川 雅久さん(大分労働基準監督署長)

2016年02月16日
 1月15日に「安全」を経営トップ自ら宣言して行動する「安全宣言実施報告書」を大分労働基準監督署に提出した事業場に対し、石川署長から「安全宣言確認証書」が交付された。
「報告書の提出順をみると、最初の方は、ほとんどが建設業。安全に対する意識が、いかに高いかが分かる。建設業者は、安全対策の要請をすれば、ちゃんと守ってくれる」と建設業への信頼度は高い。
 各社の安全大会などで講演する石川署長が、必ず訴えるのが「Safe work OITA」「名前で呼び合う声掛け」「安全の見える化」「経営トップの安全宣言」「建設機械のシートベルト着用」運動だ。
「誰かが音頭をとって、みんなを引っ張っていかなければならない」という強い決意で、4年に大分県に着任して以来、県内の様々な企業、現場に安全対策運動を訴え続けている。
 建設業各社、県建設業協会も、運動に積極的に取り組む。
「Safe work OITA」の旗や看板、作業員のヘルメット正面に貼る平仮名の名前と「Safe work OITA」のシール、危険箇所などの注意を促す掲示物などが、各現場で見られるようになってきた。
製造業などの他業種でも同様だ。石川署長の呼びかけが浸透している表れといえる。
 建設業、製造業は運動の成果もあって、労災件数が減少しているが、商業などの第3次産業は増加傾向。
「元請けがある建設業は、安全管理などの統括管理ができるが、管理が不十分な業種もあり、災害が発生した時は本人の不注意にされることもある。全業種にいえるが、経営トップは災害が起きた時、まず、自身の安全管理が悪いと思わなければいけない。だからこそ、『経営トップの安全宣言』で、トップ自らが安全対策に強い決意を持ち、自社の社員から下請け、孫請けの作業員まで、良いプレッシャーを与えなければならない」と話す。
 建設現場は、安全管理より、つい施工管理に目がいきがち。現場で、作業員自らが安全対策を考え、危険箇所の指摘ができる職場づくり、危険への感受性を高める教育も重要になってくる。
「工事現場は絶え間なく変化する。現時点での安全対策を考えるのではなく、先を見越した安全対策をすることも必要。安全パトロールも『見る巡視』から『自ら考える、考えさせる巡視』にしなければならない。しっかりした目的意識を持とう」と訴える。
 また、経営トップに対しては、「多くの労災犠牲者から教訓を得た『労働安全衛生法』などをよく勉強し、一層の労災防止に努めて欲しい」と求め、「現場作業員に心を寄せる気持ちが、労災撲滅への一歩になる」と力を込めた。


略歴
昭和53年に北里大学を卒業して労働省(現厚生労働省)入り。平成4年に大分労働基準局(現労働局)安全衛生係長、以後大分労基署第一方面主任監督官、日田労基署長、佐伯労基署長、大分労働局健康安全課長などを経て、27年、現職。宇佐市出身。60歳。
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