大分建設新聞

インタビュー

渡邉 武さん(日田土木事務所長)

2015年11月19日
 「いろいろ経験してきたが、特に印象に残っているのは、県職員になりたての頃4年間いた国東土木で、大分空港アクセス道路のコンクリート橋の工事を先輩から引き継ぎ、基礎工事から担当したこと。ニューマチック・ケーソンという特殊工事で大変だったが、積算の仕事の進め方などを学び、その経験がこれまでの支えになっている」。意欲に燃えていた若い頃の現場は、忘れられない。
 日田勤務は2回目。といっても21年度は1年間だけ。「日田市内の道路総延長は約130㌔あり、改良率が低い。急峻な山地のためトンネルや橋梁が必要で、線形も全体的に悪い。限られた予算で工事の時間も要するので、地元の要望になかなか応えられないのが苦しいところ」と。早期改良のため、1・5車線拡幅を進めているが、これは改良率には現れない。ただ「地元の方は利便性が良くなるので、生活道路としての満足感は出てくると思う」と語る。
 日田管内の横方向(東西)は高速道があるが、旧郡部などから市内中心部に出るには縦方向(南北)の道路の距離が長く時間がかかる。このため縦の国道212号花月、日田拡幅、響峠バイパスと栃野西山線、国道386号などの強化を重点的に進めている。地元の意見を聞き、何が求められるかを判断しているので、期成会などの率直な意見はありがたい」と言う。
 新規事業の都市計画道路銭渕大宮線は、工事そのものより用地取得が、予算的に主になる。中津日田高規格道路の日田山国道路8・5㌔のバイパスは、着工までもう少し時間がかかるが、事業費226億円のほとんどが工事費用で、年間10億円以上の事業になる。地元業界の期待は大きい。
 「私たちの仕事の仕上げをする業者がいなければ行政は何もできない。業者の方々には元気で頑張ってもらいたいといつも思う。豪雨災害時に短期間で復旧できたのは、対応できる業者がいたからこそ。何事にも率先して動き、地域を守っているから、地域で頼りにされている」と、信頼し、期待を寄せる。
 職員には「健康第一で、行政の仕事はチームワークなので報・連・相を大事にし、地域の意見をよく聞く。優先順位を決め効率的に仕事を進めてほしい」と求めている。
 趣味はバドミントン。県庁バドミントンクラブに入っている。

略歴
昭和58年、徳島大学大学院を修了して県職員に。日田土木次長兼企画調査課長、土木建築企画課参事、大分駅周辺整備事務所長、公園・生活排水課長、港湾課長などを経て、今年5月、現職。国東市安岐町出身。56歳。
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