大分建設新聞

インタビュー

富岡 誠司さん(筑後川河川事務所長)

2015年11月13日
 「九州は初めての勤務。北海道出身で、島根県がこれまでの私の最西端任地。気候風土が異なり、食べ物や見るもの聞くものすべてが新鮮。管内は福岡、佐賀、大分にまたがり、とても広い」と赴任しての印象。
 初任地は、東北地整北上川下流河川事務所。「約2年いた。河川の測量業務が印象に残っている。大学で学んだことが、そのまま生かされた。そして島根県の斐伊川・神戸川総合開発工事事務所に1年7ヵ月いたとき、志津見ダムと尾原ダムの付け替え道路工事をガンガンやった。予算が今の事務所よりも多くて、河川屋が普段経験できないトンネルや橋の工事などさせてもらい土木屋としてはすごく楽しくできた」などと、仕事の思い出は尽きない。
 河川担当は、災害対応が多い。その一例。19年から2年間、愛知県河川課長のとき岡崎市が時間雨量150㍉のゲリラ豪雨に遭い、死者も出た。「そのときは、心身ともにきつかった」と。
 その後水資源機構への出向などで、8年間直轄から離れていたが、久しぶりの現場復帰で、水を得たよう。「今は職員といろいろ意見を交わしながらやっている。職員は精鋭揃いだが、日田市などの河川激甚災害対策特別緊急事業もあり、かなり大変なので、きつい中にも明るく楽しく仕事ができるよう、声をかけたり、たまには飲みに行ったりしている」そうだ。
 現場に帰ってきたと感じるのは、雨天時に携帯に「雨が激しくなったので、注意体制に入る」とか、現場でちょっとした事故などの連絡があるときだとか。
 建設業に思うことは,まず業界の人材確保だと言う。「どの業種も人が足りずに人の奪い合いになっている。そんな中、若い人は建設業界は3K職場と見ているのではないか。若い人や、親が見ても建設業界が魅力的に思える職場にしなくてはならない。これは、官民が一緒になって連携をとりながら取り組む必要がある。国民が目を向けるのは、工事現場で仕事をしている人。かっこいいな、いい仕事しているな、と思われないといけない。私たちも建設業者とタッグを組んで、業界全体の明るい未来のために一緒に頑張りたい」と話した。


略歴
昭和59年、北海道大学工学部を卒業して、建設省入省。青森河川国道事務所長、愛知県河川課長、水資源機構中部支社副支社長、国交省官房付、兵庫県理事(技術担当)などを経て、今年6月、現職。54歳。
フォトコン結果発表
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP