大分建設新聞

インタビュー

加藤 正明さん(豊肥振興局大野川上流開発事業所長)

2015年07月10日
 大野川上流開発事業所勤務は初めて。これまで、大野土地改良事業事務所や臼杵事務所、知事室補佐班、農林水産部の農村整備計画課、農村漁村担い手支援課などで、ダムや広域農道、担い手対策など、幅広い仕事を担当。21年度には、農村整備計画課で大蘇ダム漏水問題に対応、25~26年度には農村整備計画農村整備計画監として、世界農業遺産班総括を兼務、寝る間を惜しんで資料作りや調整役を勤めた。
 思い出深いのは、杵築市八坂地区の圃場整備。国東半島事務所勤務のときに、八坂川の河川改修が計画から約40年経過しても完成しなかった区間を、圃場整備と連携した事業で完成させた。多くの地権者に、県としてできることとできないことを丁寧に説明し、知恵を出し工夫を重ねながら何とか完成させたと言う。
 知事室補佐班勤務のときは、広瀬知事から県民目線に立ち、県民の立場で物事を考えることを学んだ。「『知事や部長の方を向いて仕事をするな!県民の方を向いて仕事をしろ!』と叱られたことが印象に残っている」と振り返る。
 国営事業の大蘇ダムが、31年度の完成を目指して工事が進んでいる。同大蘇ダムの修理完了後水を末端まで引けるよう、「中山間地域総合整備事業」などで畑地かんがいや農道整備を、「農業水利施設保全合理化事業」で老朽化した水路の補修・整備など、基盤整備が進行中だ。大蘇ダムの受益者の多くは、これまで自然任せの露地栽培が中心で、品質や収量の変動が大きい。「大蘇ダムからの水を末端まで引いたら、必要な時にいつでも給配水が可能になる。農業が計画的にできるようになれば、品質が上がり収量も増え収入も安定し、担い手確保につながる」と意欲を燃やす。
 今は、予算獲得が厳しい状況としながらも「県内には、耐用年数が過ぎた水利施設が約半分ある。建設業界の方々からも、水利施設などの整備の必要性を地元の立場でぜひ声を上げてほしい」と話した。
 以前、医者から脂肪肝を指摘されたのをきっかけに、毎週2回、大分市内のトレーニングルームで体を鍛え、脂肪肝は解消したという。座右の銘は、「至誠に悖るなかりしか」。


略歴
昭和59年県職員に。竹田事務所耕地課を振り出しに、農山漁村担い手支援課総括、前任の農村整備計画課農村整備計画監を経て、今年5月、現職。国東市出身。54歳
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