大分建設新聞

インタビュー

御厨 一敏さん(住宅金融支援機構南九州支店長)

2014年12月03日
 長期固定金利住宅ローン「フラット35」などを提供する住宅金融支援機構の、御厨一敏南九州支店長に今後の住宅市場の情勢などについて聞いた。
 ―4月の消費税率引き上げ以降、住宅着工戸数の減少が続いています。
 御厨 消費増税の駆け込み需要で好調だった25年度の反動減が続いています。大手シンクタンクの大半が、27年度にかけて減少すると予測(8月発表時点)しており、今後も厳しい状況が続くとみられます。
 ―住宅ローン金利は下落が続いています。また、政府の経済対策の一環として、国土交通省は住宅市場の活性化を目的に、「フラット35S」の金利引き下げの検討を始めました。
 御厨 「フラット35」の金利は5ヵ月連続で最低を更新しました。機構が行ったアンケート調査では「26年度下半期は住宅の買い時」と答えた一般消費者は7割以上に上っています。日銀の追加金融緩和もあり、金利は当面、一般的には横ばいないし下落傾向で推移していくことが予想されるでしょう。
 ―支店として取り組んでいることは。
 御厨 お客様に合った住宅ローンを選んでもらえるよう、金利の状況や、固定型・変動型それぞれの特徴・リスクなどの情報提供、説明に力を入れています。機構が行った調査では、約4割の消費者が不安を抱えたまま住宅ローンを組んでいることが分かりました。そうした不安を取り除くために、相談会やセミナーを開いたり、窓口でアドバイスをしています。機構のホームページでは、返済プランの比較や資金計画、借り換えなどの住宅ローンシミュレーションもできます。また、支店にはファイナンシャルプランナーの資格を持つ職員もおり、それぞれの家計やライフプランに合わせたローン選びのアドバイスをしています。
 ―厳しい環境が続く住宅市場で、事業者が生き残るために必要なことは。
 御厨 当たり前のことですが、消費者のニーズをしっかりとつかんで、品質の良いものを作ること。また、ソフト面での営業を強化することも大事で、住宅ローンの提案もその一つ。それぞれのお客様の状況に合ったローンを、しっかりと丁寧に説明することで、信頼も厚くなります。そういったことの積み重ねで、実績を伸ばしている事業者もあります。支店としても、事業者を支援していきたいので気軽に相談してほしい。
 

略歴
福岡県出身。昭和58年、住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)入庫。総務人事部人事グループ長、団信・火災保険部長などを経て平成24年3月から現職。
 

 
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