大分建設新聞

インタビュー

有光 真美さん(アトラックス社長)

2014年11月17日
 特殊セラミックスの「アドマファイン」を使った機能性遮熱塗料「アドグリーンコート」で、省エネ・節電やヒートアイランド対策、労働環境改善を提案・施工している㈱アトラックス(大分市金池町)の有光真美社長(42)は、「アドグリーンコート」の普及を目指し、1年前に会社を設立した。
 アドグリーンコートの特長は、「冷めやすい」こと。日射反射率は、ホワイトで87・7%。日本中央研究所㈱と㈱アドマテックス(トヨタ自動車㈱のベンチャー企業第1号)が共同研究したもので、本来は熱を嫌う半導体に使用する素材がベースになっている。この〝熱を逃がす力〟(排熱機能)を建築塗料に応用し、開発された国際共同特許商品。工場・事務所・店舗などの屋根や外壁を、塗るだけでクールダウンし、電気代が削減(節電)できる。
 遮熱塗料で唯一エコマークに認定され、国交省の「新技術情報システムNETIS」に登録。公共工事などの改修工事にも優先的に扱える。
建築現場で一般的に使われている遮熱塗装は、中空バルーンセラミック(多孔質セラミック)で、粒子径が20~300ミクロンに対し、アドマファイン(無孔質セラミック)は0・2~0・6ミクロンと超微粒子。無孔質形状で瞬時に熱を逃がすため「熱だまり」が解消されるだけでなく、薄い膜で仕上がりがきれい。この「熱を逃がす」というコンセプトのもと、窓に遮熱コーティングする「アドグラスクール」の普及にも努める。
 有光さんは以前、福岡市で心理カウンセリングの個人事業を始めたが、7年前に大分に戻った。経営コンサルティングの仕事をする中で、遮熱塗料に着目する機会があり、現専務の山下隆右さんと調査を始め、素材「中空バルーンセラミックス」を大多数の塗料メーカーが使用しているが、唯一「無孔質セラミックス」の素材を用いたアドグリーンコートが熱だまりを起こさず、遮熱に最もふさわしい塗料と判明した。近いうちに、県内から九州一円に事業展開する計画。
 一方、心理カウンセリングを始めたころから、「建築資金がたまったら、将来、DⅤや虐待で苦しむ人の支援施設を建てたい」という夢がある。40歳を過ぎて「学んだ心理学を社会のために役立てたい」との思いが日増しに強くなっている。県内の塗装業の若手社長の中で、女性は有光さんひとり。社会的には、女性が活躍できる場も増え、女性への評価も認められているが、業種によってはまだまだ女性には厳しい面も見られる現状を痛感。「自分が女性社長として成功することで、手本となり、本当に頑張っている女性や若い起業家を支援していきたい」と語った。
 製品の問い合わせは、同社℡(097〈537〉5201)まで。


「事業を成功させ女性起業家を支援したい」と有光さん
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