筒井 司さん(県立美術館新築工事事務所長)
2014年10月16日
筒井さんは、県立美術館新築工事を請負っている、鹿島建設・梅林建設JVの工事事務所長だ。昨年4月12日に着工した本体工事はほぼ完成し、17日からの検査を経て、31日には本体を引き渡す予定だ。19ヵ月におよぶ大工事について、筒井さんは「普通ではない建物だった」と振り返る。高さ6㍍まで開く延長約80㍍、14スパンのガラスの水平折り戸は圧巻。世界的にも著名な設計者である坂茂氏のユニークなデザインだが「国内でも例がない。誰も施工したことがないだろう」と語る。
筒井さんは、病院建築の経験が豊富で、美術・文化関連施設の建築工事にも縁がある。菊竹清訓氏設計の九州国立博物館(福岡県太宰府市)建築工事の現場代理人を務め、最近ではまるで折り紙のような奇妙な形をした、隈研吾氏設計の九州芸文館(福岡県筑後市)の建築工事も担当した。九州各地の公共施設からオフィスビルまで、公共工事も民間工事も担当してきた。
県立美術館1階の10㍍に及ぶ大きな吹き抜けや、30㍍のスパンの鉄骨組みは、工事も特殊。「美術館は建築空間の環境が展示品や収蔵品に影響を与えるため、施工管理などを緻密に行う必要がある。加えて美術館では、杉やカラマツなどの天然木を使用しているため、素材の選定などで、汎用の建材を用いるのとは異なる作業も必要だった」と苦労を語った。
近隣環境への配慮にも気を配った。国道197号沿いに位置するため朝夕の通行規制を行い、周辺には住宅が立ち並ぶため音や振動の低減に努めた。
人材不足・高齢化が問題視される建設業界だが、筒井さんは「これからは、休憩所やトイレ、分煙など作業場の環境整備に努め、若い人にとって魅力的で働きやすい職場にしたい」と話した。
「若い人が働きやすい職場環境をつくりたい」と筒井さん
筒井さんは、病院建築の経験が豊富で、美術・文化関連施設の建築工事にも縁がある。菊竹清訓氏設計の九州国立博物館(福岡県太宰府市)建築工事の現場代理人を務め、最近ではまるで折り紙のような奇妙な形をした、隈研吾氏設計の九州芸文館(福岡県筑後市)の建築工事も担当した。九州各地の公共施設からオフィスビルまで、公共工事も民間工事も担当してきた。
県立美術館1階の10㍍に及ぶ大きな吹き抜けや、30㍍のスパンの鉄骨組みは、工事も特殊。「美術館は建築空間の環境が展示品や収蔵品に影響を与えるため、施工管理などを緻密に行う必要がある。加えて美術館では、杉やカラマツなどの天然木を使用しているため、素材の選定などで、汎用の建材を用いるのとは異なる作業も必要だった」と苦労を語った。
近隣環境への配慮にも気を配った。国道197号沿いに位置するため朝夕の通行規制を行い、周辺には住宅が立ち並ぶため音や振動の低減に努めた。
人材不足・高齢化が問題視される建設業界だが、筒井さんは「これからは、休憩所やトイレ、分煙など作業場の環境整備に努め、若い人にとって魅力的で働きやすい職場にしたい」と話した。
「若い人が働きやすい職場環境をつくりたい」と筒井さん