武田 浩さん(日本政策投資銀行大分事務所長)
2014年08月29日
日本政策投資銀行はインフラプロジェクトなどに投融資する金融機関だと思っている読者が多いのではないか。それだけではない。地域活性化のための、自治体などへの情報提供・コンサルティングや、地方の企業の支援も同行の主要な業務だ。同行の「地域元気プログラム」を通じて融資を受けた大分県内の老舗企業の例もある。武田さんは本店・支店勤務を繰り返す中で、都市計画や地域活性化、PFIの分野で活躍してきた。全国各地の地域活性化に携わり、ドイツのフランクフルト勤務時は、欧州のまちづくりも現地で学んだ。
本店に次いで長かったのが九州支店だ。九州勤務時代にも、休日を含め数え切れないほど大分を訪れた。武田さんは「九州は気候的に恵まれており、地域ブロックの中でも成長のポテンシャルが高い。中でも大分県は、温泉など豊かな風土に幅広い業種の産業集積があり、可能性に富む。そんな大分のために自分ができることは何か、県内各地の皆さんのお話をうかがいながら日々知恵を絞っている」と語る。
大分事務所は、自治体や大分経済同友会と連携して、大分のまちづくりなどについて提言してきた。そのテーマの一つがアートと交通のまちづくり。これは来春、県立美術館とJR大分駅の新駅ビルが同時にオープンすることも視野に入れ、アートの力をまちの活性化に活かそうというもの。
しかし、アートはなかなか経済的な効果を生み出せないのでは?と尋ねると「身近なところに県立美術館ができることで、人々が生活の中にアートを自然に取り込むことができる。アートに関する小さな消費を積み重ねていくことがアーティストの活動を支援することにつながる、という経済効果が生まれるのではないか。産業集積と同様に芸術文化の集積も、集積が集積を生む。それが加速するまでは地道なサポートが必要だろう」と、武田さんから示唆に富む意見をいただいた。「豊かな風土と産業集積に芸術文化集積も加わると、大分は非常に魅力的な生活の場になる。暮らしたい、子供を育てたいまちとして、人口減少社会への対応にもつながるだろう」と、大分の未来に期待を寄せる。
略歴
平成2年、慶應義塾大学法学部を卒業して、当時の日本開発銀行に入行。北海道支店次長、本店金融法人部次長などを経て、今年4月、大分事務所長。昭和41年生まれ。
本店に次いで長かったのが九州支店だ。九州勤務時代にも、休日を含め数え切れないほど大分を訪れた。武田さんは「九州は気候的に恵まれており、地域ブロックの中でも成長のポテンシャルが高い。中でも大分県は、温泉など豊かな風土に幅広い業種の産業集積があり、可能性に富む。そんな大分のために自分ができることは何か、県内各地の皆さんのお話をうかがいながら日々知恵を絞っている」と語る。
大分事務所は、自治体や大分経済同友会と連携して、大分のまちづくりなどについて提言してきた。そのテーマの一つがアートと交通のまちづくり。これは来春、県立美術館とJR大分駅の新駅ビルが同時にオープンすることも視野に入れ、アートの力をまちの活性化に活かそうというもの。
しかし、アートはなかなか経済的な効果を生み出せないのでは?と尋ねると「身近なところに県立美術館ができることで、人々が生活の中にアートを自然に取り込むことができる。アートに関する小さな消費を積み重ねていくことがアーティストの活動を支援することにつながる、という経済効果が生まれるのではないか。産業集積と同様に芸術文化の集積も、集積が集積を生む。それが加速するまでは地道なサポートが必要だろう」と、武田さんから示唆に富む意見をいただいた。「豊かな風土と産業集積に芸術文化集積も加わると、大分は非常に魅力的な生活の場になる。暮らしたい、子供を育てたいまちとして、人口減少社会への対応にもつながるだろう」と、大分の未来に期待を寄せる。
略歴
平成2年、慶應義塾大学法学部を卒業して、当時の日本開発銀行に入行。北海道支店次長、本店金融法人部次長などを経て、今年4月、大分事務所長。昭和41年生まれ。