大分建設新聞

インタビュー

金尾 健司さん(九州地方整備局長)

2014年08月21日
 九州勤務は、川辺川工事事務所長以来、13年ぶりという。九州は産業、農業、温泉など各地域が優れた特色を持っており、ポテンシャルの高さに改めて気づいたそうだ。
 しかし、産業が盛んな割に、道路ネットワークが弱いと指摘する。「東九州自動車道は明かりが見えたが、中九州辺りがまだ弱い。まず、それを第一に取り組む。東アジアに近いので外に打って出ることを考え、福岡空港などの機能アップや港湾を強化し、陸海空のネットワークを整備する必要がある。九州全体として強化していきたい」と語る。道路ネットワーク構築が防災・減災に欠かせないとし、災害対策を考えた道路整備をすれば、九州東岸が津波で被害を受けても西側から支援できると考える。
 道路整備以外でも、構造物の老朽化対策のため、各自治体への支援と点検補修ができる技術者育成への協力、建設業の担い手確保のため、若手、女性技術者の活用を積極的に推進する。女性技術者の活用については、すでに、現場従事を入札要件にした発注などをしており、今後も現場での従事を成績評価に入れたいと言う。さらに、40歳以下の若手技術者を表彰し、女性、若手がやりがいをもって働ける職場環境を目指したいと語る。
 建設業界には、現場見学会やインフラツアーなどの取り組みを評価し、これからも見学会やソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)などを通じた魅力発信を一緒に進めていきたいという。業界へは「災害発生などの緊急時に、現場に一番に駆けつけるのは地域の建設業であり、私どもも期待するところが大きい。活躍してもらうためには、建設業者が持続的に経営をやっていくことが需要。そのためにも、発注者としてやれることは積極的にやっていく」とエールを送る。
 局職員には、「現場第一主義で、現場の人、現場の声を大切に頑張ってほしい」と望む。
 京都府宇治市出身。宇治茶が有名だが、九州のお茶もおいしいと太鼓判を押す。56歳。

 略歴
 昭和58年、東京大学大学院工学系(土木)研究科修了、旧建設省職員に。平成9年、国交省九州地方建設局川辺川工事事務所長。関東地整企画部長、前任の本省河川計画課長などを経て、今年7月、現職。

 
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