大分建設新聞

インタビュー

大澤 藤和さん(豊後大野土木事務所長)

2014年05月23日
 佐伯土木を振り出しに、様々な分野に携わってきた。豊後大野土木は、26年ぶり2回目の勤務。  管内の事業で、特に注目しているのは三重新殿線の整備。一般県道だが高規格道路的整備を進めている路線で、中九州横断道路と豊後大野市三重町を結ぶアクセスの確保、さらに国道326号との広域ネットワーク形成で、同国道の慢性的交通渋滞を緩和する重要路線に位置付けられている。7工区のうち、現在内田、赤嶺牟礼の2工区約1・8㌔を施工中で、26年度から牟礼前田工区約3・0㌔に事業着手し、総延長約10㌔のうち、約8・7㌔が供用または事業中となる。  思い出深いのは、採用2年目で佐伯土木宇目駐在所に3年間勤務したとき。現場経験もなく、初めてウォータークッション形式の堤高20㍍の砂防ハイダムを設計したこと。早く仕事を覚えようと必死で取り組み、技術基準書などを見ながら一人でやりあげた当時のノートを、今も大事に保管している。次の中津土木では県内第1号のマイロード事業として、青の洞門のすぐ上流の山国川に「禅海橋」を整備した。親柱に禅海和尚がノミを打つ姿の線彫りなど、かなり贅沢な橋造りに携わることができた。  「建設業は厳しい時代が続く。しかし、どんな時代であっても社会には公共施設が必要で、公共事業がなくなることはない。これからは維持保全のウェートが高くなり、この方面の技術者育成と施工能力向上に努め、将来を担う若い人たちへ技術伝承をしながら、地域から頼られる建設業を目指してほしい」と言う。  着任後、管内の道路のほぼ全線を走った。「回るうちに、全く当時のままという地区もあり、複雑な思いがした。トンネルや橋梁などの老朽化・防災対策も待ったなしの状況。減災対策も含め、限られた予算の中で、県民の要請にどう応えていくか、職員ともども知恵を出し合いながら、少しでも生活の利便性向上に努力したい」と。  「若い職員が、今年2月の大雪の際に、国道326号で立ち往生した車の運転者を徹夜で救助した様子を、目を輝かせながら話す姿を見て、行政に携わる者のあるべき姿勢を改めて学んだ気がした。まずは健康第一で、悪い情報ほど早く上げ対処できるよう、風通しの良い職場環境つくりとチームワークを図りながら、スピード感を持って事業を進めたい」と話した。  休日は、実家の畑で野菜作りをして、ストレスを解消する田舎好き。58歳。 略歴  昭和51年、大分高専土木工学科を卒業、県職員に。佐伯土木道路課長、企業局工務課工務企画監、中津土木中津日田道路建設室長などを経て、前任の別府土木次長から今年4月、現職。




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