大分建設新聞

インタビュー

永松 悟さん(杵築市長)

2013年11月29日
 先の市長選で、無投票で当選し、就任から1ヵ月が経った。県職員出身で、医療・福祉関連のキャリアは35年と長い。「就任して、医療、土木、観光と、市の業務の幅広さに圧倒された」と言う。「ただ県と違って、住民と接する機会が多く、自分の目で直接、現状を見ることができるのが、とても勉強になる」とも。  前職(県福祉保健部長)を退職後、市政の具体的な課題を知るため、自ら市内の自治区を回り、農林水産業や商店街の人たちの声を聞いた。そして、収益の厳しさ、過疎や少子高齢化による後継者不足で、人口の減少に歯止めがかからない現状を実感したそうだ。  そうした問題を一刻も早く解決するため、「世界農業遺産という世界ブランドを活用して市勢浮揚を図りたい。農業の再生のほか、医療・福祉事業を見直して市民の健康増進の取り組み、さらには定住人口を増やすなどの施策を重点に市政運営に当たる」考えだ。それらに伴うインフラ整備にも意欲的で、市民が安心・安全に暮らせる街を念頭に、道路、建物は、30年先を見据えて長寿命化させていく。いわゆるハコモノは、障がい者や高齢者が安心して使えるように、ユニバーサルデザインを取り入れ、市の景観にマッチした外観にし、人が集まる観光資源の一つにしたいと言う。  市長は「住民ニーズは複雑になり、高度化している。だからこそ中心となる役所内各課と、企業や団体、住民との連携は必要不可欠」と意気込みを語る。また、「面白い・楽しい・住みたい」と思える街を目指して、世界農業遺産に認定された6市町村との連携を強め、オーダーメイドの観光プランづくりを計画するなど意欲満々。  後継者不足が深刻化している建設業者には、「モノを作る技術と、楽しさや素晴らしさをもっとアピールしてほしい。例えば建設に携わることの楽しさを身近に感じるよう、小・中学校などで、重機を使った出前授業など、未来を担う子供たちが興味を持つような取り組みも必要。プロの技を見たら、大人になるまで忘れないはず」とエールを送る。  就任早々で、休むひまもほとんどなく、読書や趣味の映画鑑賞、散歩も、今は休止状態。「忙しさが落ち着いたら、杵築の街をゆっくり歩いてみたい」という。60歳。 略歴  昭和51年、同志社大学法学部卒。53年県職員に。障害福祉課長、医務課長、こども・女性相談支援センター所長、福祉保健部長などを務め、今年3月に県を退職。10月に市長就任。




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