大分建設新聞

インタビュー

利光 公則さん(東京商工リサーチ大分支店長)

2013年11月20日
 前任の恒行正敏さんはほとんどを大分勤務で過ごし、14年間も大分支店長を務めた〝大分の経済情報界のドン〟だ。その後を引き継ぐのだから大変だろう。ところが利光さんも大分市出身で、恒行さんと交代で3年間、大分支店長を勤めたこともあるので頼りになる。  福岡支店勤務が長く、家族は福岡市に残して大分市には単身赴任。大分市の実家にはこれまでも度々帰省し、変貌する大分市の姿を見続けてきた。次々と製造業が進出し、郊外に大型商業施設ができ、道路網も整備された。購買力が郊外に流出した、という声も聞いた。大分県の経済構造は変化した、と感じている。そして今、大分駅とその周辺の中心街が大変貌を遂げようとしている。  これについて利光さんは「大分駅、市の中心部に人が集まることは良いことだ。本来、集客は大変なパワーが必要だが、これをJRがやってくれるのだから。集まる人々をターゲットとして対応できる商売をすればいい。東京のものや全国ブランドのものは駅ビルの中にある。駅周辺の商店街は、県内の魅力を全て集めればいい。大分県の魅力は食でも何でも無数にあるのだから。戦略を間違えると、逆に購買力が福岡圏に吸い上げられるおそれもある。ポジティブに考えよう」と語る。  最近では企業の倒産件数も減り、災害復旧などの公共事業も住宅建築も好調だ。経済は復調しつつある。ところが同社の調査では、大分県の赤字法人率は、10年間も九州地区で最も高いという。「だからこそ、パワーのある企業に大分の経済を牽引してもらいたい」と期待を寄せる。  そして、「経済を支えるのは建設業だ」と断言する。「建設業は、ヒト、モノが動く仕事だ。つまり労働や雇用や物流の根幹だ。建設業が元気印であってほしい」とエールを送る。  利光さんが自身の「ふるさと」である大分県の経済成長を見守る目は、ポジティブでやさしい。


「建設業が元気であってほしい」と利光さん

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