大分建設新聞

インタビュー

小串 康博さん(サンワテック社長)

2013年11月15日
 若くして父親を亡くし、急きょ実家に戻って家業を継いだ。従業員も全員辞めた。借金だけが残った会社を立て直した。やっと借金を返したと思ったら、大手元請けが倒産した。それでも下請事業者として国土交通省の優良工事表彰を受けるまでになった。法面の専門工事業者として信頼を寄せる元請け企業は多い。その秘けつは?「お客様の満足度を大切にすること。元請け経営者のメリットはもちろんのこと、現場所長や現場の作業員に、いい仕事をする会社だと認めてもらうこと」と語る。  「元請けが表彰を受けるぐらいの工事を」と、下請けとしての技術力・提案力も磨いている。法面の様々な工法も研究して提案、採用されている。その一つが、東九州自動車道の盛土の法面緑化の多くで施工した「プライオグリーン工法」だ。東九州道の現場ではトンネルを掘削した岩で盛土するので、普通の土のように簡単には緑化できない。この工法ではフライアッシュを含んだ土壌安定・侵食防止剤を用いるので保水力も高く法面に種を固着させて緑化することができる。金網も不要だ。コンクリート吹き付けの法面ではクラック防止剤も提案する。こうして、元請けと共に「いい仕事」ができるのだ。  また、元請けとしても仕事を受注する。発注者とのコミュニケーションなど、元請け企業の立場やニーズを把握するためだ。こうして、下請け専門工事業者としての目線でスキルアップを図っている。  「お客様の満足度を大切にすること」は、異業種に参入して見事に成功した自動車販売事業でも磨かれた感覚だ。そして大分県中小企業家同友会のメンバーとして、毎月の勉強会で、経営者としての研鑽を積んでいる。100年継続する事業を目指して、後継者の育成にも努め、毎年新卒社員を採用している。「顧客視点」「経営感覚」「事業承継」どれもが大切なことだが、小串社長の手腕の全貌は、ここには書ききれない。


「100年続く事業」を目指して努力を続ける小串社長

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