大分建設新聞

インタビュー

三角 昌二さん(清水建設)

2013年09月14日
 清水・ヤマト冨永特定JVが施工している、佐伯市の新庁舎建築主体工事。三角さんは、その現場事務所長だ。  巨大なタワークレーンが伸びる。半年余りの免震基礎工事が終わると、次々と鉄骨が立ち上がって、今年6月には躯体が出来上がった。さすが、日本を代表するスーパーゼネコンが率いる工事だ。当初計画では24ヵ月だった工事を、3ヵ月も短縮して仕上げるのだという。そのために、さまざまな工法上の工夫が取り入れられている。  「それは清水建設のノウハウなのですか」と尋ねると、三角さんは「会社のノウハウでもあり、私のノウハウでもある」と答える。いくつもの現場をかけ持ちすることもあるので、現場の実績は数え切れないそうだ。公共工事よりも病院などの民間工事の方が多いという。  これまで県内の大型工事では、国東市民病院、JA別府リハビリセンター、東芝大分工場のクリーンルーム棟(2棟)を担当した。中でも東芝大分工場は、半導体の生産工場で、クリーンルームの内装工事が50%を占める。延べ床面積がそれぞれ3万5000平方㍍、5万2000平方㍍と大規模だったが、外壁無足場工法、RC梁の現場PC製作、鉄筋の先組工法などあらゆる工期短縮工法を駆使して、6ヵ月で杭工事から外構まで完成させたという。そんな現場での数々の経験が、この新庁舎工事でも生かされている。  東日本大震災を機に、病院や公共建築物を中心に、免震構造の採用が多くなってきている。免震工法はスーパーゼネコンや中堅ゼネコンの施工実績が多いが、この新庁舎工事のような地元企業とのJVで、「地元企業でも施工できるようになるのでは」と期待を寄せる。  この工事は発注時に「地元下請けの活用」「地元資材の調達」が求められ、佐伯市内の業者は3次下請けまで含めて27社、資材は12社が工事に参画している。初めて一緒に仕事をする業者がほとんどだそうだが、三角さんは「短縮した工期に遅延することなく、真摯に、前向きに工事に取り組んでもらっている。それぞれの持ち場でしっかり責任を果たしている」と評価する。


多くの現場を経験したノウハウで工事に取り組む三角さん

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