大分建設新聞

インタビュー

岡部勝博さん(日新建設)

2013年08月30日
 岡部さんは、(株)日新建設が請け負っている、国道197号今津留地区電線共同溝工事の現場事務所長(現場代理人兼監理技術者)で、同社の常務執行役員の肩書きを持つ。これまで7工区発注されたこの事業のうち、2つの工区を担当し、今津留地区で3工区目になる。それでも「慣れたでしょう?」とは聞けない。とにかく難工事なのだ。交通量が多い地区の夜間工事。しかも電線、通信線、汚水、雨水それぞれ別々の経路の管路を埋設する、まるで〝協働溝整備〟のような工事だ。  工事は夜の9時から朝6時まで。夜中の12時頃までは車の通行量も多く、歩行者も結構いる。歩道部分から車道の中央分離帯付近まで、広い範囲を掘削する。交通規制も掘削・埋設箇所に応じて臨機応変に変えなければいけない。歩道を掘削する場合は、深夜の酔客に、反対側へ迂回してもらうようお願いしなければいけない。「たとえ聞いてもらえなくても怒られても、お願いするしかない」という。「危険予知」という言葉すら不要なぐらいの「危険だらけ」の現場だ。もちろんKY活動はきちんとやっている。  岡部さんの仕事は夜間だけではない。BOXは電線や通信など種別ごとに、製作できる企業が異なる。そのために熊本まで製品の検査に行かなければならない。聞けば聞くほど、大変な工事だ(ほとんどの現場が大変なことに違いはないだろうが)。  当初の契約上の工期は10月末だが、実際の工期は12月10日まで。真夏から冬場までの長期間にわたる工事だが「少しでも工期を短縮したい」と語る。そんな岡部さんの信念はただひとつ、「安全第一に工事を全うすること」だ。通行車両や歩行者の安全を守り、地下埋設物の破損などの公衆災害を決して起こしてはならないのはもちろん、作業員や警備員の安全を守ることも重要な任務だ。  大変な努力の末に、美しい景観と災害に強い街が誕生する。それが土木技術者が願う幸せなのだ。


「交通量が多く、夜間工事なので安全に気を遣う」と岡部さん

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