大分建設新聞

インタビュー

土谷 晴美さん(県豊肥振興局長)

2013年07月27日
 「女性初の振興局長ですね、とよく言われます。後輩のためにもがんばらないといけませんね」と、こぼれるような笑顔が印象的。「これまで地域振興の分野を多く経験させてもらってきた。技術職員も事務職員もお互いの持つ現場の情報を組み合わせることで、新しいものが生まれることが大事。そのためにも職員間の情報共有を大事にしたい」と、横の連携を重視する。  着任時は豪雨災害復旧工事の真っ最中。早速、災害現場を見て回った。特に、地山の法面など深くえぐれた災害箇所には声を失った。「ひとりの知恵には限界がある」と、いろんな人の意見を聞き、違う視点で物を見、災害が起きないようにするにはどうすべきか、また災害の発生にはどう対応するかを議論する。早期復旧に向け努力していただく建設業の皆さんに感謝している。  今後の課題は、地域力を付けることだという。「豊肥地区は、農産物や名所がたくさんあるが、全国的にはあまり知られていない。中九州道路が完成する日を見越して、食と観光をリンクさせて、寄り道をしてもらえる魅力的な地域づくりのお手伝いをしたい」と。  豊後大野市はジオパーク(自然遺産を含む、自然に親しむ公園)認定に向けて活発に動いている。B級グルメでシイタケ料理を提供。豊後大野市と竹田市をまたがる地域は、トレッキングコースの九州オルレで人気を呼んでいる。特に、韓国の取材チームが訪れ何度も放送しており「小道を歩いているだけで癒される」というほどの人気ぶりだ。また竹田市は歴史と温泉、竹楽などのイベントが人気。文化を感じるお店も増えている。  農林業も、観光についても皆が意識して取り組んでいかないと前に進んでいかない。「地域のみなさんと一緒にやっていくのが振興局の役目。『せっかく大分まで行ったら、あそこに行ってみないとネ』『あそこで暮らしたい』と思わせるような地域力を育てることに取り組みたい。  8月4日には、九州北部豪雨で不通になっていたJR豊肥本線の豊後竹田~宮地間が全線復旧する。地元が、待ちに待っていた県内外からの観光客をおもてなしできるチャンス。今後につなげたい。  豊肥地区は高齢化率が高い。草刈りなど地域の要望を受けて出動する、建設業者ら小規模集落応援隊に期待している。  好奇心旺盛で、何にでも興味を持つ。もっと視野を広げて、一歩引いてから俯瞰するように心がけている。自宅は由布市にあり、単身赴任中。一人娘は県外に就職。趣味は読書。最近は宮部みゆきさんの作品を好んで読んでいる。   略歴  大分大学経済学部を卒業して、県職員に。昭和55年に国東土木事務所に配属されたのを皮切りに、これまで豊肥振興局地域振興部長、生活環境企画課総務企画監、広報広聴課長を経て今年4月、現職。




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