大分建設新聞

インタビュー

廣瀬 啓二郎さん(豊後大野土木事務所長)

2013年06月15日
 道路関係業務に長く携わってきた。旧三重土木を含め豊後大野土木勤務は3回目。全国大会でも優勝した、弓道の達人としても知られる。  思い出深いのは、日田土木で丸山五和線の整備を担当したとき。住宅密集地に都市計画街路の一区間を通す事業で、立ち退きなどのお願いがあり、最初から苦労の連続。その道路が21年かけて今年完成し、5月19日に開通式典があった。式典に出席はしていないが「感慨深くて、この上なくうれしい」と言う。  うれしいといえば、添田日田線道路改良工事でお世話になった、小鹿田焼の里の方々と今も交流が続いていることだ。ここの男性住民は全て〝村の掟〟で弓道をたしなむ。「平成3年に京都御所であった全日本弓道大会で私が優勝したこともあり、窯元さんらから子どもたちの指導を頼まれた。おかげで用地交渉もスムーズにいきました」。こんな付き合いが地元の信頼を生む。良い体験だった。  25年度は、国道502号や三重野津原線の用地取得・工事着手のほか、何度も氾らんを繰り返し大きな被害をもたらした河川の工事もある。中でも、最終段階にきた、内山観音がある三重川上流域の護岸工事は、「内山地区住民の思いを受け、悔いの残らないように丁寧に仕上げたい」と語った。  廣瀬さんが、最も力を入れたいのが中九州横断道路とアクセスする三重新殿線の整備。豊肥地区は、肥沃な穀倉地帯が広がる。三重町が物流拠点になれば、ここで生産された農畜産物を県内外に効率的に輸送でき、市民は信号待ちも少なく大分市内の病院や買い物に行ける。  7町村が合併した豊後大野市は、面積は佐伯、大分、日田に次いで4番目に広いが、県道の改良率は下から2番目。これから産業を発展させるためには、河川整備も大事だが道路網整備が重要課題。中でも、三重新殿線が豊肥地区の動脈の役割を果たすようになるという。「この路線が開通したら、きっと地域や大分県のためになる。早く完成の道筋を付けたい」と、意気込む。  大学で弓道を始め、平成3年に全国弓道大会で優勝。県職員で初めて県民栄誉賞を受賞。教士6段。現県弓道連盟副会長、県体育協会理事。柔道初段でもある。54歳。 略歴  昭和58年、九州大学を卒業して、県職員に。国東土木事務所建設課長、豊後大野土木建設保全課長、日田土木次長などを経て、前任の県河川課防災調整監から今年4月、現職。




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