大分建設新聞

インタビュー

一ノ瀬 陸典さん(日田土木事務所長)

2013年05月29日
 日田は今、豪雨災害復旧工事の真っ最中。「災害復旧を最優先にしている。被災箇所が多く、資材や作業員不足などの問題もあり、梅雨時期までにすべて完成させるのは難しいので、再び災害が起きないように、河床掘削や寄せ石などの応急措置をし、人家があるなど優先順位の高いところから先に工事を進めている」と、臨戦態勢の一ノ瀬さん。  「日田土木は地域の防災センターとの心構えで、地域の安全・防災対策に積極的に取り組みたい。常日頃からアンテナを高くして、住民の方々の意見を聞きながら国、市などとの連携を密にし、効果的な事業展開を図りたい。それも建設業のみなさんの協力がなければ実現が難しいので、これからも地域の頼もしいアドバイザー、サポーターとして協力を期待している」とも。  とりわけ災害時の対応は建設業なくしては語れない。「昨年の豪雨災害の際は、機動力をもって対応していただいた。また、防災危機管理については、大建協日田支部と災害協定を結んでおり、昨年の教訓を生かしながらしっかり対応したい」と語る。  重要課題の2つ目に挙げたのは、やはり道路整備。「日田は古来から交通の要衝。しかし、国・県・市の道路整備率は県内では下の方。ようやく中津日田道路の日田~山国間で環境調査にかかることになった。大分自動車道や東九州自動車道などと結ぶ産業、生活、観光などの大動脈の役割とともに、災害時の救急搬送など『命の道』としても重要な幹線となる。早期に事業化できるようにしたい」と意欲をみせる。  「建設業界に一言」と問うと。「今年度は大型の公共事業予算となったが、低迷期が長かった。公共事業費はピーク時の約4割まで減少し、まだ厳しい状況が続いている。就業者の高齢化と若手技術者不足の問題もある。業界との意見交換会などを通して解決策を模索したい。いうまでもなく建設業は地域経済を支える重要な産業」と頼りにしている。  趣味は野球と大分トリニータの応援、釣り。思い出深いのはトリニータのナビスコ杯優勝。国立競技場で応援したが、青いスタンドが揺れたという。好きな言葉は「絆」と「地図に残る仕事」。大分市内の自宅で奥さんと2人暮らし。55歳。  昭和55年、熊本大学環境建設工学科を卒業して県職員に。都市計画課長補佐、日田土木次長兼企画調査課長、宇佐土木所長、道路保全整備室長、都市計画課長を経て、今年4月、現職。




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